このようにパワー偏重の野球が怪我人増加の原因だという分析もある。近年米国ではフライボール革命がリーグを席巻するなど、パワーを重視した野球が良しとされ、投打ともに力に頼ったプレーが増えつつある。だが、これが選手の体に必要以上に負荷をかけている可能性も否定できないだろう。

 イチローが引退会見で「日本の野球はアメリカに追従する必要はない」と語ったものの、日本のプロ野球界ではメジャーのトレンドを次々に取り入れる傾向がある。パワー偏重の野球も例外ではなく、最近では選手の体も大型化している。必ずしも悪いことではないが、どうしても必要以上に体を大きくすると、怪我が増えるリスクもあるはずだ。

 今回、日米の野球界で負傷する選手が増えているの原因は決して一つではなく、様々な要因が絡みあっているのは間違いない。各選手ごとに理由も違うだろうが、怪我で選手が離脱するのはファンにとって一番見たくない場面。コロナ禍の中でのプレーは難しさもあるが、一人でも多くの選手がハツラツとしたプレーを見せて欲しい。