「新型コロナ担当の西村大臣が常に尾身氏と綿密に連絡をとっている、というのは、それは最近の国会でも首相が繰り返していること。だけど、双方ともかなりビクビクしているんじゃないですか。

 首相にしてみれば、五輪開催の障害となるような発言や提言が専門家から出るのは避けたい。一方、感染症の専門家として政権に寄り添ってきた尾身氏にしても、このままオリンピックを強行すれば感染者が増えるに決まっているのは十分にわかっていて、その責任をなすりつけられてはたまったもんじゃない。

 だからいまは必死になってポジション取りを考えているんじゃないのかなという気がしますけどね」

 最後に、今回の党首討論の総括として、菅氏の答弁は0点だったと話す。

「菅氏の発言の中で『なるほどね』と思ったところが一つもなかった。あえていえば、維新の片山氏に質問され、五輪開催の主導権はやはり都にあるかのように答えたところ。もちろん、その発言は評価に値しません。いざとなれば責任は自分にないというに等しい肌寒いジョークのようなもの。だから0点ですね」

(AERAdot.編集部 上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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