あとは、埋没式の二重整形手術は、手術中が痛かった。全然痛くなかったと言う人もいるので意外だと言われますが、私は苦手だったようです。まぶたをひっくり返して(まぶたの)裏に麻酔を打っていく時が本当に痛くて。目を見開いているので、手術室の光がめちゃめちゃまぶしいですし、目元を触られる恐怖もあって、力んでしまって。余計に痛みを感じてしまったみたいです。

あと一つは、鼻の再手術をした時のダウンタイムの痛みですね。鼻に移植するためにあばらの軟骨を取っているので、めちゃめちゃ痛かった。起き上がるだけでも大変ですし、腰を曲げていないと、痛すぎて立っていられない。その後の通院も電車移動ができず、タクシー移動。普通に生活するのはまず無理でした。ただ、痛みの度合いは十人十色。トップ3はあくまでも私の場合です。

――痛みをおしてでも手術に突き進んでしまったのは、なぜでしょうか。

昔から自分の顔に強いコンプレックスがありました。中学生の時にいじめに遭い、ばい菌扱いされたり、廊下で「ブス」と暴言を吐かれたり。でもいじめは引き金に過ぎず、整形をしたのは自分で自分を否定し続けたからです。当時は自分の顔が怖くて、どこかおかしくはないかと、鏡をずっと見てしまうんです。醜形恐怖症だったのだと思います。思い込みがどんどん激しくなって、治さないと、普通に生きていけないと思っていました。なので、当時の私にとっては前向きな整形というよりも、病気の人が治療をする感覚だったんです。でも、整形で1パーツを変えただけでは、周りの反応も変わらなかった。「もっともっと」と突き進んでしまいました。

――整形のリスクを実感する一人として、昨今の整形ブームについて思うことはありますか?

本当に納得できるパーツになる可能性って、実はすごく低いんです。「整形はバクチのようなもの」という気構えで臨んだ方が良いと思います。あとは、最近の整形ブームで、若い世代と整形に抵抗がある親世代の間で、整形に対する認識に大きな差が生まれていると感じています。親の理解が得られないという相談も増えていますし、親子関係にひずみが生まれてしまわないか心配です。

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成功しても失敗しても「ハイリスク」