阪神・高山俊(左)と北條史也(右)(画像は阪神タイガースからの提供写真)
阪神・高山俊(左)と北條史也(右)(画像は阪神タイガースからの提供写真)

 阪神・高山俊と北條史也の存在感が薄れつつある。

 潜在能力やアマチュア時代の実績は文句なしで、ともにドラフト上位指名でプロ入り。順調なプロ生活をスタートさせ「虎の未来」を担うと期待させたが、それも過去の話に感じる。今や一軍定着すらままならない状態になってしまっている。

「過去の人になってしまった感がある。高山、北條とも現状ではチャンスはない。レギュラー陣が安定しており、余程の不調になるか、ケガ、故障がない限りは番は回ってこない。矢野燿大監督も優勝を狙うためには、柱となる選手は固定して起用したいはずですから」(阪神担当記者)

 阪神は開幕から好調を維持、堂々の首位で交流戦を迎えた。今季は安定したリリーフ陣を軸とした守り、そして打つ方でも助っ人外国人たちが安定した成績を残し、チームをけん引している。そして何より佐藤輝明(ドラフト1位)、中野拓夢(同6位)というルーキー2人の頑張りが大きい。高山、北條はポジションも被っており、出番がなくなっていくのも当然だ。

「矢野監督もキャンプまでは戦力として大きな期待をしていた。2人(高山、北條)とも目の色を変えて取り組んでいたが、結果が出ない。そしてそれ以上に新人2人がずば抜けたものを見せている。今は二軍で結果を出しつつ待つしかない。数年前では考えられないほど、戦力層が厚くなっていますから」(阪神担当記者)

 明治大時代、東京六大学で通算安打記録(131)を更新した高山は、15年のドラフト1位で入団。1年目から134試合に出場し、打率.275、8本塁打、65打点を記録し新人王を獲得した。その後は更なる成長が期待されたが、現状ルーキーイヤーがキャリアハイとなってしまっている。再び定位置を奪取すべく迎えた6年目の今季、キャンプでは実戦11試合で打率.429と結果を残しキャンプMVPに。しかし、オープン戦では打率.118と低迷し、開幕二軍スタートとなった。

「打撃に関しては天才的。打撃練習を見ているとホレボレする。若手選手も見入っていますよ。でも性格的に気分屋な部分がある。集中力が続かないというか、どこかで満足してしまう。また周囲の目を気にし過ぎてしまう部分もあって、それでやる気も左右される。本人も手応えがあったはずだが、少し気が緩んだのかもしれない」(阪神関係者)

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阪神でのプレーもキャリアに影響?