3位:スティーブ・ウィリアムス『勇士の叫び』(キッス)

『殺人医師』は86年に新日本で初来日。その後、米国でマイク・ロトンドとの『バーシティ・クラブ』で、ザ・ロード・ウォリアーズからNWA世界タッグ王座奪取、90年から参戦した全日本で火がついた。ゴディとのタッグ『殺人魚雷コンビ』、三冠王座獲得のシングルともに結果を残した。ファンもシャウトできる入場曲も大人気だった。Jリーグの浦和レッズ・サポーターが応援に使用していることでも有名だ。

2位:ザ・ロード・ウォリアーズ『アイアンマン』(ブラック・サバス)

ホークとアニマルの最強タッグは、マネージャーのポール・エラリングを引き連れ暴れまくった。映画『マッドマックス2』の世界観から結成され、初来日は85年3月8日の全日本・船橋大会。その後も日米で活躍し、新日本、SWSにも登場、『暴走戦士』の名前の通り見るものを驚愕させた。重低音響くこの曲でなだれ込むように入場し、相手チームをリング下へ叩き落とすのが定番だった。

1位:ブルーザー・ブロディ『移民の歌』(レッド・ツェッペリンのカバーバージョンなど)

来日当初の全日本ではツェッペリン・バージョン、その後ジャズドラマー・石松元バージョンなどが使用された。「WO、WO」と雄叫びをあげ、チェーンを振り回し、観客席へ雪崩れ込んでの入場はまさにキングコング。新日本登場時には前奏部分にベートーベン『運命』が組み込まれていた。新日本・真壁刀義が布袋寅泰バーションを使用していることでも有名だ。

 他にも、ヒール系レスラーにも記憶に残る名曲が多いが、今回は別枠扱いとした。アンドレ・ザ・ジャイアント『ジャイアント・プレス』、タイガー・ジェット・シン『サーベル・タイガー』、アブドーラ・ザ・ブッチャー『吹けよ風、呼べよ嵐』……。記憶に残り、思わず口ずさんでしまうものも多い。また同時にラフファイトや反則も思い浮かべさせる。同じ入場曲でも、いわゆる『別腹』扱いとさせてもらった。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。