IOCが東京五輪を中止しないなら、橋本聖子会長はするべきことがある 元招致担当者に聞く (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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IOCが東京五輪を中止しないなら、橋本聖子会長はするべきことがある 元招致担当者に聞く

岩下明日香dot.#バッハ会長#東京五輪
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長 (c)朝日新聞社

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長 (c)朝日新聞社

 東京、大阪などに加え12日には愛知、福岡にも緊急事態宣言が発令されるなど、コロナ感染拡大が止まらない日本。東京五輪・パラリンピックの開催中止を求める声は国内外で高まっており、米ニューヨーク・タイムズも「危険な茶番劇を止める時がきた」と中止を訴えるコラムを掲載した。五輪中止は誰がどのように決めるのか。中止しないとしたら、日本がやるべきことは何なのか。東京都で五輪招致推進担当課長を務めた、鈴木知幸氏(国士舘大学客員教授)に話を聞いた。

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――世論は大会開催の「中止」に傾いていますが、日本が中止を決定することは可能なのでしょうか。

 大会開催を中止する権利は、主催するIOCにしかありません。開催国として会場を提供している日本から申し出るとすれば、「中止」ではなく、「返上」ということになるでしょう。

――返上すると、どうなるのですか。

 返上すると損害賠償請求を受ける可能性はあります。開催都市契約にOCOG(オリンピック組織委員会)の保険に関する規定がありますが、契約条件は不明です。東京五輪・パラリンピックが中止された場合の世界の保険会社が被る損失は20~30億ドルになるという試算が報じられています。ただ、組織委員会がどのように保険をかけているかは明らかにされていません。

――過去に返上や中止はあったのでしょうか。

 柔道の父・嘉納治五郎が招致に尽力し、1940年に東京で開かれることが決まっていたオリンピックを政府が返上した歴史があります。嘉納は1938年にカイロで開かれたIOC総会に参加し、帰国の途上で亡くなりました。嘉納の死後、日中戦争の泥沼化を理由に日本政府は「返上」を決定しました。その後ヘルシンキ(フィンランド)が代替地になりましたが、第二次世界大戦の勃発により、大会そのものが「中止」になった歴史があります。

 付け加えると、1980年のモスクワオリンピックは、ソ連と対立するアメリカのカーター大統領がボイコットを同盟国に呼びかけ、日本もそれに同調せざるを得ず、参加しませんでした。この時、柔道男子のメダル候補だった山下泰裕は涙を流して参加を訴えました。


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