「テームズの今年の復帰は絶望的です。問題は来年以降、巨人でのプレーを本気で望むか。今季は年俸120万ドル(約1億2500万円)の単年契約で、ケガをしても今季の報酬は手に入るはず。もともと1年やってみて2年目以降は流動的だったはず。年齢を考えても、このまま現役を引退する道を選んでもおかしくない」(エージェント会社関係者)

 メジャーリーグでは通算6年間、ブルージェイズ、ブルワーズなど4球団でプレーして通算96本塁打を放った左の強打者。韓国プロ野球では通算3年間で打率.349、124本塁打、382打点という驚異的な成績を残した。15年には47本塁打、40盗塁の『40-40(フォーティー・フォーティー/40本塁打40盗塁)』を達成し、16年には40本で本塁打王も獲得。「パワーヒッターで異なる環境に順応するのが得意」と本人も語るように、攻撃面では相当な自信を持っていた。

「巨人は攻撃面ではかなり痛い。年齢を感じさせないスイングは変わらず、打撃練習でも鋭い打球を打ち返していた。だが明らかにウエイトオーバー気味で来日しており、韓国時代の『40-40』までは望めなかっただろう。それでも常時クリーンアップを任せれば、20本塁打70打点は打ったのではないか」(在京球団編成担当)

 調整時の二軍戦では来日初戦の2打席目で初安打を放ち、5試合目には初本塁打を記録した。一軍合流直前には2打席連続アーチを放つなど自慢の長打力を披露。二軍では9試合に出場し、打率.500、4本塁打と抜群の適応力を発揮、原辰徳監督をはじめ関係者は早期での一軍デビューを望んでいた。

「準備不足だった部分も否めない。基本的には一塁手で外野守備経験も多くない。また近年は人工芝でのプレーもほとんどなかったはず。一軍合流前に人工芝での練習回数を増やせば良かったかもしれない。巨人も攻撃優先での補強だったが、まさか慣れない外野守備でこんな形になるとは思わなかっただろう」(エージェント会社関係者)

 メジャーリーグの球場は天然芝の場合が多い。その中でも稀な人工芝が本拠地のブルージェイズで、11~12年途中まで外野手としてテームズはプレーした。しかしその後は一塁手が本職となり、外野を守ることはそこまで多くなかった。

次のページ
避けることができるケガだった?