もちろん、ネタ合わせは大事だと思うよ。ただ、団長の場合、もういいでしょ?っていうところからも、またいろんなことを詰め込みすぎるから困る。

 若手の頃は、ネタ合わせがとにかく嫌だった。反論しても、団長は自分が納得しないと絶対OKしない人だから、何をいっても無駄だったしね。いつも、「早く終われ」って思いながらやってた。それは、HIRO君もきっと同じだと思う。

 団長は、とにかく、何でもしつこいんだ(笑)。

 昔、新幹線で東京から大阪まで移動する時だって、団長が急に足を蹴ってきたから、「痛っ!」って足をおさえながら言ったら…

「足を蹴られた時に、足をおさえて『痛い』って言ったら普通やないか。足を蹴られたら、腕をおさえて『痛い』って言わんかい。逆に、腕を叩かれたら、足をおさえて痛がれ。とにかく逆をやらんかい」って、突然お笑い講座のようなことが始まったりもした。これが、とんでもなく長い。

 すぐに終われば別にいいのに、2時間以上も付き合わされるから、こちらはたまったもんじゃない。
 
 もう大阪についた時はヘトヘト。もう仕事にならないよね。

 今年も何度か仕事で会ったけど、あいかわらず、そのしつこさは変わらない。むしろ、オジサンになってから、どんどんひどくなっているような気がする。

 こっちがもういいよ?って空気出してるのに、何か変にずっと絡んでくるんだよね。

 昔と違って、今は、3人とも個人の仕事が多いから、ボクだって、他の仕事の台本を読みたい時だってあるし、「豆柴の大群」の歌詞を考えたい時だってある。でも、ずっと絡まれていたら、それもなかなかできない。

 HIRO君に至っては、もう完全に無視してる。だから、余計に団長がボクに話しかけてくる。

 団長のしつこさは、20年たっても、苦手のままだよ。

 こんなに愚痴のようなことを言った後に、何を言っても説得力ないかもしれないけど、別に団長のことが嫌いなわけじゃないからね(笑)。そこは勘違いしないでほしい。

 団長のしつこさはしんどいけど、あのしつこさが無かったら、安田大サーカスは、絶対にここまでやってこられなかった。

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