中には実力試しどころか、チームの主力として活躍する選手も誕生し、ファンや関係者から大きな注目を浴びている。代表的なのは東海大学の河村勇輝だろう。

 福岡第一高校3年生でインターハイとウインターカップの二冠を達成した河村は、2020年1月に三遠ネオフェニックスと特別指定選手契約を締結。同25日の千葉ジェッツ戦で8得点しB1最年少出場記録と最年少得点記録を更新すると、翌26日には21得点を挙げる活躍を見せた。結局、河村は自身3試合目からスターターに起用され3月15日までに11試合に出場。1試合平均12.6得点、3.1アシストと立派なスタッツを残し、低迷していたチームの中で孤軍奮闘し、新人賞ベスト5も受賞した。

 東海大1年の今季は、横浜ビー・コルセアーズに加入し16試合でプレー。1試合を除き全てベンチスタートだったが、21.2分の平均出場時間に加え、 6.0得点、3.4アシスト、1.4スティールのアベレージと特別指定選手とは思えない存在感を放った。

 河村は、高校3年生でプロのコートに立ったが、こうした“高校生Bリーガー”は河村を含めこれまで11名誕生している。

 史上初の“高校生Bリーガー”となったのは澁田怜音と永田渉だ。ともに盛岡南高校に在籍していた二人は、当時B2の岩手ビッグブルズと契約。永田はあまり出場機会がなかったが、澁田は17試合でプレーし平均4.2得点という数字を残した。

 現在、永田は現在明治大学の4年生としてプレーしているが、駒澤大学在学中の澁田は昨季から佐賀バルーナーズに加入し、今季は52試合に出場。平均7.4得点、4.3アシストするなど司令塔としてチームに欠かせない存在となっており、“特別指定経由プロ行き”の過程を順調に歩んでいると言えるだろう。

 そして、今季も将来有望な“高校生Bリーガー”たちがプロの舞台を踏んだ。一人は、昨年のウインターカップで準優勝した東山高校の米須玲音で、川崎ブレイブサンダースと契約した。

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高校生のトップ選手が続々とデビュー