東スポ倒産危機か!? お笑いコンビ「浅草キッド」いわく「日付以外はすべて誤報」と評される夕刊紙の東京スポーツが経営危機に陥っているという。東スポといえば、一面の見出しの最後に「!?」を付けることで宇宙人やツチノコ、ネッシーなどの超常現象をはじめ、スポーツ、芸能、社会などのニュースをセンセーショナルに報じる独自路線で知られる夕刊紙だ。

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週刊文春」(4月22日号)によると、同社は3月末に45~59歳の160人の社員を対象に希望退職者を募集し、4月7日には東京・江東区の本社近くで社員向けの「説明会」が行われたという。希望退職者に向けた金銭的補償は通常の退職金+1年分の給料で、募集人員は45~59歳の社員約100人、社員全体の3分の1近くをリストラする予定だと報じている。

 希望退職者を募集した背景には経営不振があり、同誌の取材に応じた40代後半の記者によれば「19年5月の決算では純利益が約20億円の赤字、総資産は約65億円しかなく、会社側から『あと2~3年でつぶれる』と告げられました」とのこと。

 この報道を受けて、ネット上では「退職金が出るだけマシ」、「最近の東スポは東スポらしさがなくなっていたから売れないのも仕方ない」などさまざまな意見が飛び交っている。実際、社員たちはどう感じているのか。同社の40代の社員はため息まじりにこう明かす。

「『文春』の記事では『(希望退職者には金銭的補填も含めて退職金が)50歳でトータル2000万円出るかどうか』という社員のコメントが掲載されていましたが、それはあくまで50代の社員の話。40代の社員は金銭的補填を入れても退職金は1000万円も出ないのではないでしょうか」

 実は同社、ここ15年ほど社員の月給はほとんど上がっておらず、その結果、社内ではこんな現象も起こっているという。

「ウチは今、入社20年目くらいの40代前半の社員で年収は400万円台の半ばほどです。ずっと社員の月収がほとんど上がっておらず、下がっているボーナスについては社歴の影響を受けない全社員共通の“一律金”の割合が大きいため、40代前半のベテランと20代、30代の若手の社員の給料がほとんど変わらないんです。要は、会社に20年近く勤めていても給料がほとんどアップしていない、それどころかボーナスの減額分があるので、世代によっては40代よりも20代の頃の方が給料が良かったなんて現象も起きています。もっとも、50代の社員になると、若い頃にそれなりに月収が上がっていたので、今でも600~800万円くらいはもらっていますけどね」

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かつては「30代で2000万円」の給与も