五輪出場が決定した瀬戸大也選手(C)朝日新聞社
五輪出場が決定した瀬戸大也選手(C)朝日新聞社

4冠を喜ぶ池江璃花子選手(C)朝日新聞社
4冠を喜ぶ池江璃花子選手(C)朝日新聞社

 東京五輪の切符を勝ち取ったからだけではない。池江璃花子の生き様は日本だけでなく、世界中の人達の胸を熱くした。

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 東京五輪代表選考を兼ねて行われた競泳日本選手権で白血病から復帰した池江が4日の100メートルバタフライ、8日の100メートル自由形で優勝して2冠を達成。リレーの2種目で五輪内定を勝ち取ると、最終日の10日も非五輪種目の50メートルバタフライ、50メートル自由形も制覇。大会4冠と最高の結果で締めくくった。

 8日間で計11本のレースに出場。疲労が蓄積されて体調を心配する声もあったが、池江は持てる力を最大限発揮した。

SNSやネット上ではこんな称賛コメントが殺到した。

<試合に勝ったことはもちろん立派ですが、とにかく頑張りに一番感心して泣いてしまいました。ひたむきに頑張る姿を見せていただいて、ありがとうと言いたいです。試合というステージに堂々と復帰したこと、おめでとうございます。お帰りなさい。それでも無理しすぎないでね。同じ年の子を持つ身として、ご活躍とご健康を心から祈っています>

<池江さんは良いですね、見ていると泣けてくるほど感動を与えられます。現在頑張っているすべての人に勇気を与えてくれていると思います。これだけ負けず嫌いでこれだけ歯を食いしばれる人はあまりいないので物凄くお手本になる人だと思います。おめでとうって言葉をかけるよりも有難うって言葉を贈りたい>

 もちろん健康が第一だ。コロナ禍でデリケートな時期が続く。

「レース復帰から7カ月という短期間で東京五輪の切符をつかんだのは奇跡としか言いようがない。敗れた他の選手も池江選手と同じぐらい、それ以上に努力してきたからです。ただ、池江選手には頑張りすぎないで欲しい。東京五輪を目指すその姿だけで凄いことだし、ハードな練習、試合を繰り返すことで体調が心配な部分もある。私たちメディアも五輪でメダル獲得など煽ってはいけない。池江選手には幸せな人生を送ってほしいし、五輪のために無理してほしくないですから…」(テレビ局の水泳担当ディレクター)

 一方、男子は瀬戸大也が200メートル、400メートル個人メドレー、200メートルバタフライの3種目で五輪の代表切符を勝ち取った。

 しかし、瀬戸は昨年9月に一般女性との不倫が発覚。保育園へのお迎えの前の時間を悪用した”情事”だった上、安っぽいラブホテルを利用していたことも激写された。その上、過去の浮気の話も暴露されし、大騒ぎになった。

 所属先だったANAが契約解除し、日本水連は年内活動停止処分を課した。3ヶ月のブランクは大きい。レース後半にスタミナ切れする場面が見られたが、世界水準のトップスイマーは意地を見せた。

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瀬戸への冷たい反応の理由