――それでも、秋篠宮さまの「結婚を認める」というご発言が明らかになって以降、さまざまな憶測を呼び、「年内に結婚」という記事も見受けられました。

近重:お二人が早く結婚したいと望んでいることは、これまで繰り返し報じられています。しかし、小室さんが眞子さまと本当に早く結婚したいのであれば、陛下や秋篠宮殿下がお言葉にされてきたことに対して、誠意を示して取り組むべきではないでしょうか。小室さんは夏に米国で弁護士資格取得の試験を受ける予定とされていますので、代理人を通じての説明でもいいでしょう。しかし私は、試験の結果が出てからの方がいいと思っています。今はコロナ禍という特別な状況であり、急いでことを進めようとしても多くの人の納得を得ることが難しい社会情勢だからです。

 コロナ禍で、国民は気持ちにも生活にも余裕のない状態です。世の中がこのように厳しい状況では慶事もなかなか受け入れてもらえないものです。たとえ小室さんが十分な説明をしたとしても、皇族の結婚への国民の理解は得られにくいと思います。

 コロナ禍の悪い流れが収束へ向かう状況に世の中が変わって、社会が立ち直る兆しがみえたときに、明るいニュースがあると国民は喜んでくれるものです。例えば、秋篠宮殿下と紀子さまのご結婚は、昭和天皇崩御の翌年でした。喪が明けてから、納采の儀が執り行われ、一連の儀式を経て、平成2年6月に結婚されました。平成の御代になって皇室初の慶事に、国民は心から喜び祝福したのです。

 ですから、眞子さまと小室さんは国民の理解を得たいのならば、焦らないほうがいいと思います。

――とはいえ、眞子さまは今年の10月に30歳という一つの節目を迎えられます。眞子さまは昨年11月、小室さんとの結婚についてのお気持ちを文書で発表しました。眞子さまの言葉の一つ一つに、「早く結婚したい」という強い思いがにじんでいるように思えました。

近重:私は、もし眞子さまが今のままの状況で“強行突破”されたら、日本の皇室が大切にしてきた国民からの信頼が薄れてしまうかもしれないと思っています。
 
 眞子さまは上皇さまの初孫であり、将来、天皇となられる悠仁さまの姉であり、両陛下のご長女・愛子さまのいとこの中で最も年長であるわけです。そして今は、皇族数の減少が大きな課題となり女性皇族の注目度も高くなっています。

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華やかな舞台だけではない皇室のお務め