他にも4度の対戦に及んだヴァンダレイ・シウバvsクイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(両者2勝2敗)、06年10月のPRIDEアメリカ大会から3戦を行ったビクトー・ベウフォートvsダン・ヘンダーソン(ビクトー2勝1敗)、UFCライト級王座を巡り争ったフランク・エドガーvsグレイ・メイナード(両者1勝1敗1分)、第2戦と第3戦の間が21年を隔てたホイス・グレイシーvsケン・シャムロック(ホイス2勝1分)などが3試合以上を戦った例として挙げられる。

 1勝1敗で決着戦となったラバーマッチ、あるいは3戦以上が行われた組み合わせを恣意的ながら11例見てきたが、その中で2戦目の勝者が3戦目も制しているのが7例。

 これを“傾向”として認め当てはめるなら、堀口vs海の第3戦は堀口が有利となる。

 だが第1戦が1分08秒、第2戦が2分48秒と両者の対戦は2試合を足しても4分に満たず、試されていない局面があまりにも多い。

 ラバーマッチが実現するなら第1、2戦では見られなかった組み技・寝技の展開がいよいよ見られると予想するが、両者は互いにその局面でも自信を語っている。

 打撃戦のみで決着がついたこれまでと異なり、第3戦はMMAのあらゆる展開が見られる総力戦となるのを期待したいが、堀口は1年4カ月ぶりの再起戦、入国から2週間の隔離生活といった悪条件を跳ねのけ第2戦を制しており、海はまず再挑戦に説得力ある実績を積み上げるのが先決となるか。

「次にやったらもっと盛り上がるからいい」

 第1戦の後そのように語っていた堀口だが、海が作った盛り上がりを奪い、有言実行で主役の座に返り咲いた。第3戦が(唐突にではなく)納得のシチュエーションで組まれれば第2戦を超える盛り上がりは必至。そんな満を持した上での第3戦が見たい。(文/長谷川亮)