昨年の大晦日の試合では堀口恭司に敗れた朝倉海(写真/gettyimages)
昨年の大晦日の試合では堀口恭司に敗れた朝倉海(写真/gettyimages)

 朝倉海を1R2分48秒、TKOで破りリベンジを成し遂げるとともにRIZIN王座を奪還した堀口恭司。これで両者の対戦成績は1勝1敗の五分となり、「ラバーマッチ」と言われる決着戦を望む声があるが、堀口はこれに乗り気でないと伝えられる。果たして第3戦の行方やいかに。過去に見られたラバーマッチを振り返りつつ、実現した場合の展開を予想する。

 古くはボクシングでのモハメド・アリvsジョー・フレージャー。第1戦は1971年3月、王者フレージャーにアリが挑む形で行われ、15Rにダウンを奪われたアリが判定負け。アリはこれがプロ32戦目にして初黒星となった。

 第2戦は3年後の74年1月、ここではアリが判定勝ちしてリベンジを果たす。そしてラバーマッチは翌75年10月にフィリピン・マニラで行われ、アリの14R TKO勝ち。この一戦は74年にジョージ・フォアマンを倒した「キンシャサの奇跡」とともに、「スリラー・イン・マニラ」としてアリ伝説を彩るものとなっている。

“フィリピンの英雄”マニー・パッキャオも第一線で長く活躍するキャリアが成せる業か、ラバーマッチを多く経験している。

 エリック・モラレスとティモシー・ブラッドリーにはそれぞれ2勝1敗と勝ち越したが、特筆されるのがファン・マヌエル・マルケスとの対戦。2004年5月(ドロー)の第1戦を皮切りに08年3月(判定勝ち)、11年11月(判定勝ち)とパッキャオが2勝1分と勝ち越したが、勝った2試合が僅差であったことから第4戦(12年12月)へ突入。ここではマルケスが6R KOで勝利している。

 総合格闘技(MMA)でも、やはりUFCでラバーマッチが見られる。

■チャック・リデルvsランディ・クートゥア

(03年6月クートゥアTKO勝ち、05年4月リデルKO勝ち、06年2月リデルKO勝ち):リデル2勝1敗

■BJ・ペンvsマット・ヒューズ

(04年1月BJ一本勝ち、06年9月ヒューズTKO勝ち、10年11月BJ KO勝ち):BJ2勝1敗

■スティペ・ミオシッチvsダニエル・コーミエ

(18年7月コーミエKO勝ち、19年8月ミオシッチTKO勝ち、20年8月ミオシッチ判定勝ち):ミオシッチ2勝1敗

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“ラバーマッチ”はどちらに2戦目勝利が有利?