僕は所属事務所はサンミュージックですが、動画とか配信などは自分で立ち上げた会社でやっていて、ある意味“副業”をしているみたいなもの。自分1人でやると何が大変かというと、たとえばCM契約とか、サンミュージックにはCMの担当の部署があるから当然、昔からの取引先がある。そこからCMが入ってきたりもする。1人でやっていたらCMの仕事は入ってこなかったりする。

 営業の部署もあるから、地方のスーパーマーケットに営業に行くとなった時に、その部署の人たちが専門にやってくれるから、仕事も入ってくるし、準備もお任せできる。本を出版したい、音楽方面の仕事をしたい、お笑いのライブDVDを作りたい、劇場を借りたい……などなど、もちろん自分1人でもやろうと思えばできる事なんだけど、それぞれ専門に長くやってきた人たちが事務所にはいる。そこに相談がしやすいし、仕事がスムーズに回っていく。

 あとは、なによりも“看板”ですよね。サンミュージックという看板をお借りしているというか背負っているというか、テレビ局など仕事の現場では“サンミュージックのタレントなのね、竹山は”という相手に与える安心感がある。仕事をする上での安心感もあるから、事務所に入っていることがマイナスということはないと思っている。

 サンミュージックは特にファミリー的な会社だから、事務所に入っていることにメリットというのもたくさんある。社長がお年玉くれたりだとか(笑)。僕なんかは結婚記念日に社長がプレゼントをくれたこともあるんですよ。それが別に仕事に直接必要かって言えば、必要ない事なのかもしれないけれど、そういう関係性と言うか、そういうことも芸能事務所に所属しているいいところだと思う。

 辞めて独立することの方が時代の流れもあって、いい事のようになっているけれども、事務所に所属しているのもいいもんだよ、と言いたい。もちろん、辞めて独立する事が悪い事だとは全く思っていません。挑戦してみたい人はやってみていいと思う。

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大きな心で事務所に所属させてもらっている