2年ぶりにオリックスに復帰したステフェン・ロメロ (c)朝日新聞社
2年ぶりにオリックスに復帰したステフェン・ロメロ (c)朝日新聞社

 いまだ去就が不透明な選手は数人いるものの、2月1日のキャンプインを控えて各球団の陣容はほぼ固まったと言えそうだ。2021年のシーズン開幕に向けて戦力を上積みすることができたのはどのチームなのか、占ってみたいと思う。なお、ルーキーに関しては今年一軍の戦力になる可能性が高い選手のみをピックアップした。また診断はA、B、C、Dの四段階評価で、あくまでもこのオフに加入した選手が今年一軍戦力になるかという点を評価基準としている。今回はまずパ・リーグ編だ。

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■ソフトバンク:D

・主な新戦力
コリン・レイ(新外国人・投手)
アンディ・ロドリゲス(新外国人・投手・育成契約)

 ドラフトでは支配下で指名した5人全員が高校生。その他の補強も外国人のみで、うち一人は育成契約と完全に今年よりも将来を考えた補強となっている。選手層の厚さを考えればこの方針はよく分かるが、少し気になるのが外国人野手の状態だ。デスパイネ、グラシアル、バレンティン(登録上は日本人選手扱い)の3人が揃って今年35歳以上となり、一年を通じての活躍は微妙な状況となっている。場合によってはキャンプに入ってから新たな外国人野手を補強する必要が出てくることも考えられるだろう。

 唯一と言ってもよい上積みは先発候補のレイだ。メジャーでの実績はそれほどないものの、2019年には3Aで14勝(4敗)、防御率3.95をマークしている。ムーア、バンデンハークの退団は濃厚と見られているだけに先発候補として期待したい。

■ロッテ:C

・主な新戦力
アデイニー・エチェバリア(新外国人・内野手)
ホルヘ・ペラルタ(新外国人・内野手・育成契約)
サンディ・サントス(新外国人・外野手・育成契約)
鈴木昭汰(ドラフト1位・投手)

 新外国人選手3人のうち2人は育成契約だが、エチェバリアはメジャー通算922試合出場の実績を誇る。マーリンズ時代はイチローの同僚としてショートのレギュラーとしてプレーしており、度々見事な守備を見せていたことを記憶しているファンも多いだろう。ここ数年成績が落ちているのは気がかりだが、守備範囲の広さは大きな魅力だ。チームは昨年ショートの守備に苦しんだだけに、その穴を埋める存在として期待される。

 ドラフトでは大学生3人を獲得したが、早くから戦力として期待したいのが1位の鈴木だ。大学4年時に一気にスピードアップし、コンスタントに150キロ近いスピードをマークする。逆にそれまでの持ち味だった制球力が少し落ちたように見えるのは気がかりだが、チームにあまりいないタイプの左腕だけに面白い存在になりそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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