なぜ、この高校は医学部受験に強いのか……開成高等学校(東京都)の秘密  (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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なぜ、この高校は医学部受験に強いのか……開成高等学校(東京都)の秘密 

長谷川拓美dot.
絶対に負けられない戦いである「運動会の棒倒し」競技(写真/学校より提供)

絶対に負けられない戦いである「運動会の棒倒し」競技(写真/学校より提供)

「開成の未来を創る」創立150周年記念事業の一つである新校舎。2021年9月から授業が開始する(写真/学校より提供)

「開成の未来を創る」創立150周年記念事業の一つである新校舎。2021年9月から授業が開始する(写真/学校より提供)

 私立の御三家としては数えられていたが、注目度は今ほどではなかった。しかし、都立高校が学区制になったこと、高校からの編入学も1クラス(50人)が2クラス(100人)となり、生徒数も1学年350人から400人と増えたことが人気を後押ししている。

「中学からの生徒と高校から入学した生徒では、雰囲気が違います。逆にいうと新しい風を入れてくれています。最近では、100人のうち15人程の生徒が3年以上の海外在住経験者です。1年以上の海外在住経験となると、3割近くにもなります。大学も日本の大学にこだわらないという生徒が増えてきています」
 
■なぜ、医学部進学に強いのか

「わが校は自主自律という言葉を重んじています。自分で律する力は、日々の開成の生活の中で自然と身についていきます。進学先も本人の希望を最大限に尊重し、基本的には生徒の自由に任せています。他校では、進路指導の専従責任者のようなものを置いている場合もあるかと思いますが、わが校は各年の高校3年の主任の先生が、進路指導の中心となっています」
 
 将来の方向性について迷いがある生徒は、気軽に先生へアドバイスを聞きに行ける。イベントが一体感を生み、情報を交換し高め合っていくことが、生徒同士で自然とできる。
 
 2020年3月中旬、コロナの影響で新学期の登校自粛要請がある前から「遠隔で授業を行う」と決め、ICT教育のためのプロジェクトチームを先生たちが作った。生徒の通信環境を調査し、休校措置を取らずに通常の授業の代わりとして遠隔授業を開始。

 5月の中間試験も、オンラインでのやりとりを工夫しながら、従来のスケジュール通りに実施した。教科書だけではなく副教材を使い、個性ある先生たちが面白い授業を行う。

 質実剛健・自主自律・進取の気性と自由の精神の教育理念が、個性を磨きながら新しいことに取り組んでいく姿勢をつくる。それだけでなく、学校行事を生徒の自主運営に任せることで、組織のマネジメントや協調性、そしてリーダーシップも学べる。そこが進学率の高さにつながっていくのだ。
(AERAムック編集部・長谷川拓美)


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