滝沢秀一 1976年生まれ。98年に西堀亮さんと「マシンガンズ」結成。著書に『ゴミ清掃員の日常』(原作/滝沢友紀・漫画)など多数。
滝沢秀一 1976年生まれ。98年に西堀亮さんと「マシンガンズ」結成。著書に『ゴミ清掃員の日常』(原作/滝沢友紀・漫画)など多数。

 コロナ禍での年末は、自宅で大掃除や断捨離に励む予定の人も多いのでは? 間違った分別をしていないか、いま一度家庭ゴミの出し方を見直したい。ゴミ清掃員として働く、お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さんは、『やっぱり、このゴミは収集できません』(白夜書房)をはじめ、マンガ、絵本などゴミ関連の書籍を多数刊行している。ゴミ分別で気をつけるべきポイントを聞いた。

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断捨離ブームで大量放出されたのは

 滝沢さんが都内でゴミ清掃員として働き始めて8年。夏には大量のペットボトル、冬にはプレゼントの包装紙や酒の缶やびんなど宴会の残骸が出されるなど、ゴミから季節を感じることも多いという。例年は盆や正月に帰省や旅行をする人がいるので、ゴミが一時的に減るのを感じていたそうだが、コロナ禍の年末年始はどうなるのだろうか。

「この夏は減りませんでした。年末年始も自宅にいる人が多いでしょうね。おそらく断捨離のゴミが増えるのでは」

 実際、緊急事態宣言が発令された期間も家の片づけゴミが急激に増えた。

「まず大量の洋服。それから一見便利そうなプラスチックかご、棚の奥にしまわれていたような陶器やシャンパングラスも多かった。20袋くらい出す人もいましたね。1回で出せるゴミの量は自治体によって決まりがあるって知っていますか? だいたい3~4袋なんです」

 この時期、断捨離ブームが起き、衣替えなどが重なったこともあって、古着の回収が追いつかなくなり、一時的に受け入れを停止する自治体があったことは記憶に新しい。

「すぐ出したい気持ちはわかるけど、腐らないものは計画的に出してほしいですね」

 また、特に注意したいのは「清掃員を危険にさらすゴミ」だ。最近では、パソコンやスマートフォンに使われるリチウム電池が問題になっている。電器店などでリサイクル回収されるが、間違って家庭ゴミに混在させると、清掃車や処理場で火災を引き起こすことがある。

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ゴミ袋からいきなり包丁が飛び出てきたことも