日本でモバイル決済アプリなどがお年玉機能やキャンペーンを展開すれば、「リモートお年玉」は定着するのだろうか。

「日本と中国では、金銭に対する感覚がかなり違うと思います。中国では個人が金融機関から融資を受けることが難しかったことから、個人間でのお金の貸し借りが普通に行われていました。お金のやりとりに抵抗がないからこそ、グループ内でお年玉の送り合いが成立するのでしょう。日本人は文化的にお金の授受には慎重ですから、中国と同じシステムを持ち込んでも、よほどお得感のあるキャンペーンでもない限り、さほど浸透しないと思います」

 先の調査で、実際に2021年のお年玉を「キャッシュレスであげる」と答えた人は全体の9%にとどまる。ただ、一昨年の4%、昨年の7%と比較すると増加傾向にあることは確かだ。TwitterなどのSNSでは「お年玉もペイ送金になりそう」「お年玉は○○Payで送れる便利な時代」といった書き込みも見られる。

 先の見えない新型コロナウイルスの感染拡大の中で、今後はお年玉の形態にも変化が表れるかもしれない。「子や孫の喜ぶ顔が見たい」という渡す側の心情が、リモートお年玉を後押しするか。

(文/白井裕子)