断トツで回数が多かった佐川宣寿氏(C)朝日新聞社
断トツで回数が多かった佐川宣寿氏(C)朝日新聞社
答弁者と回数の一覧
答弁者と回数の一覧

 森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、安倍政権が2017~18年に行った国会答弁のうち、事実と異なる答弁が計139回あることが明らかになった。「桜を見る会」をめぐっては、安倍晋三前首相の国会答弁に注目が集まっているが、森友問題でも多くの答弁が「虚偽」だった可能性が高まった。国権の最高機関である国会で「虚偽」の答弁をした人物は誰で、どんな答弁を何回繰り返したのか。資料を元に、改めて検証した。

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 事実が明るみに出たのは24日。同日の衆院財務金融委員会で、調査を求めた立憲民主党の川内博史氏の質問に対し、衆院調査局が明かした。調査の対象となったのは、17年2月15日から18年7月22日までの衆参両院の国会質疑で、当時の安倍政権が行った答弁。財務省がまとめた森友問題に関する調査報告書と、会計検査院が参院予算委に提出した報告の2つの文書をもとに、これらと内容が異なる答弁を調べた結果、事実と異なる答弁が計139回もあることが発覚したという。

 本サイトは、衆院調査局の資料をもとに、139回の答弁を人物別にカウントした(所属は当時。敬称略)。

佐川宣寿(財務省理財局長)=108
中尾睦(財務省理財局次長)=12
太田充(財務省理財局長)=7
麻生太郎(財務大臣)=3
三木亨(財務大臣政務官)=2
富山一成(財務省理財局次長)=2
石井啓一(国土交通大臣)=2
岡本薫明(財務大臣官房長)=1
佐藤善信(国土交通省航空局長)=1
蝦名邦晴(国土交通省航空局長)=1

 計139回のうち、佐川氏の答弁が8割近くにのぼる108回を占めた。上位3人は財務省理財局の局長・次長クラスが占め、その後は財務相の麻生太郎氏が続いた。国土交通相だった石井啓一氏も2回あった。

 佐川氏の答弁で目立って多かったのは、国有地売却に絡み、財務省側が、森友学園や大阪府などと交渉、相談していた記録の存在について。佐川氏の口からは計60回、事実に反する答弁が繰り返されていた。

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財務省の官僚同士での「かばい合い」も