■「アイドル」にも強みを持ち始めるサンライズ

 最後に、誰もが知る制作会社でも新たな「特色」を持ち始めている例がある。サンライズだ。

 サンライズといえば、恐らく多くの人が『ガンダム』に代表されるロボットアニメの老舗を思い浮かべるだろう。もちろん、その立ち位置は何ら揺るぐことなく今でも続いている。だが、近年では「アイドル」モノのアニメにも強みを持ち始めている。

 代表的な作品が、『アイカツ!』シリーズと『ブライブ!』シリーズだ。手描きだとコスト的に量産が困難だったライブ描写に3DCGを積極的に取り入れたことでこれが可能になり、毎話のようにライブパートが描ける革命をもたらした。

 特に『ラブライブ!』は社会的な大ヒットをもたらし、9人の主人公達を演じる声優による現実のアイドルグループ「μ’s(ミューズ)」は2015年の紅白歌合戦にも出場した。『アイカツ!』『ラブライブ!』に端を発する二次元アイドルブームは今でも続いており、アニメだけでなくVチューバーなど多くの二次元アイドルが続々と誕生し続けている。

 昨今、『鬼滅の刃』の大ヒットで制作会社のufotableも取り沙汰されることも多い。だが、ufotableに負けず劣らず様々な特色を持つアニメ制作会社がある。またもちろん、これらの制作会社で挙げた強みはほんの一例に過ぎず、他にも様々な長所がある。アニメを観る際に制作会社名にも注目してもらえれば幸いである。(河嶌太郎)