今年のドラフトの目玉となっている近畿大・佐藤輝明 (c)朝日新聞社
今年のドラフトの目玉となっている近畿大・佐藤輝明 (c)朝日新聞社

 いよいよ今月26日に迫ったプロ野球ドラフト会議。12日には高校生と大学生のプロ志望届提出も締め切られ、あとは当日の指名を待つだけとなった。ここからは各球団の情報戦も活発になってくることが予想されるが、現在の戦力や選手の年齢構成から各球団へのおすすめ指名選手を紹介したいと思う。今回は現在パ・リーグBクラスのオリックス日本ハム西武の3球団だ。

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【オリックス】打線の強化は必要不可欠。捕手も手当が必要

 開幕直後から躓き、シーズン途中で西村徳文監督が辞任するなど最下位に沈むオリックスだが、戦力的にはそこまで悲観する状況ではない。特に大きいのが先発投手陣。山本由伸、山岡泰輔、田嶋大樹と若さのある三人がシーズンを通してローテーションを守ることができれば、十分に上位進出も狙えるだろう。一方で気になるのはやはり野手陣だ。今年は大物外国人のアダム・ジョーンズを獲得して話題となったが、全盛期のプレーは見られなかった。太田椋など楽しみな若手はいるものの、吉田正尚の前後を固定できるような強打者タイプがほしいところだ。

 今年の候補で強打者タイプとなると佐藤輝明(近畿大)が筆頭候補となるが、野手では一番人気となることが予想されるだけに、外した時の候補もしっかりと考えておきたい。吉田が左打者だけに右打者が欲しいということになると、牧秀悟(中央大)も候補となるが、こちらも最初の入札で消える可能性は高いだろう。

 もう一人候補として考えておきたいのが今川優馬(JFE東日本)だ。社会人1年目の昨年は都市対抗で大活躍を見せてチームの優勝に大きく貢献。少しアッパー気味のフォロースルーにクセはあるものの、スタンドまで運ぶ力は十分だ。外野の守備も安定しており、決して打つだけの選手ではない。明るいキャラクターがチームにもたらすプラスも大きいだろう。上位を投手でいく場合に下位で指名できそうな強打者タイプの外野手では若林楽人(駒沢大)、向山基生(NTT東日本)なども面白い。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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日本ハムの補強ポイントは?