こんなことはめったに起きないと信じたいが、厳しい採用基準をクリアして選ばれているといっても、評価できない講師に出会うこともある。明らかに相手に落ち度がある場合は、遠慮せずにレッスンを途中でやめたり、会社のサポートセンターに問い合わせたりしてもいいだろう。

 やってしまった!と思ったのは、寝坊をしてレッスンを無断欠席しそうになったこと。レッスンの通知音で目が覚めたときには肝を冷やした。しかし、ボサボサ頭のパジャマ姿で謝ると、講師が優しく声をかけてくれた。「大丈夫よ、よく眠れたのね~!」

 オンラインとはいえ、初対面の相手に寝起き姿は失礼、と反省したが、講師いわく、寝起きにレッスンを受ける人は多いのだという。スマホやパソコンの画面は4K テレビのように鮮やかに映るわけではないし、講師との出会いも多くは一期一会。そんな気持ちで気楽に受けていいのがオンライン英会話なのか、と一気に肩の力が抜けた。

■無料体験は工夫して特徴をつかもう

 3 社で計10 回のレッスンを受け、予約方法、講師や教材の選び方、キャンセル可能時間など、オンライン英会話の基本的な仕組みはだいたい理解できた。とりわけ無料体験の回数が多かった会社では、レッスンに加えて、レベルチェックや学習アドバイスまで受けられたため、サービス自体の特徴をつかむことができた。

 しかし、1、2 回の体験でサービスの特徴を理解するのはなかなか難しい。無料体験の回数が少ない会社では、何か教材を選んで受講するのがおすすめだ。記者は趣味が合いそうな講師を選んで「フリートーク」で受講。音楽やドラマの話で盛り上がって楽しい時間を過ごすことができたのだが、どんな教材があるのか、それが自分に合っているのか、確認できていなかった。レッスン終了後に気づいてもあとの祭り。教材もレッスンで使ってみて、初めて良し悪しがわかる。

 気づきが多かったオンライン英会話。25 分間もタダで英語をトレーニングしてもらえるのだから、受けてみて損はない。記者の失敗談を参考に、気軽にトライしてみてほしい。

(文/濱田ももこ)

※『AERA English2020 Autumn & Winter』より