私はその頃、分譲マンションの広告を作るプロダクションの経営者でしたが、「本当に坪600万円で売れるの?」なんて思っていたのですが、わりと短期間で完売したので、驚いたものです。

 このマンションの名前は「青山」ですが、場所はほぼ渋谷です。渋谷よりも「青山」とした方が、あか抜けた高級感が醸し出される、と考えたのでしょう。実際、その通りだと思います。このマンションについてはイメージ通りなので、「名前に偽りなし」と言えます。

 ここ最近売り出された中古の価格は8600万円から4300万円まで。坪単価にすると、安くて600万円台、高い部屋は1000万円超。築17年にして、価格は上がっています。まさにヴィンテージですね。

 しかし、今後もこの流れが続くとは限りません。コロナ不況はマンション価格にも影響します。ただし、こういうマンションの価格は、下限のひとつの目安が新築時の水準。このマンションなら坪単価600万円近辺です。そこを突き抜けて下がると、本格的な不況に入ったということ。もしそうなれば、購入を考えている方にとっては千載一遇のチャンスかもしれません。

■パークコート青山ザ・タワー
分譲会社/三井不動産レジデンシャル
銀座線 「青山一丁目」駅徒歩3分
全160戸 2017年12月築 地上26階 地下1階

 このマンションは、まさに「青山物件」です。ただ、最寄り駅は「青山一丁目」。表参道に比べると若干ステータス感が下がります。まあ、そんなことを気にするのは、表参道駅の近くに住んでいる人だけかもしれませんが。

 外観は流線形の優美なフォルムを形成しています。お向かいの公園では、ご近所にお住まいのセレブさんたちが子どもを遊ばせている光景がみられます。あんないい場所で窓の外に公園が広がっているマンションは、やはり希少です。それが資産価値につながっていると思います。

 ただ、このマンションが販売されていたのは2015年から17年あたり。いわゆる局地バブルが真っ盛りの頃です。新築での販売価格もかなり高めでした。安い部屋で坪単価700万円台で、ほぼ1000万円超が普通。一般には公開しない特別限定住戸は坪単価2000万円だったと言われています。

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