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ジャルジャル「キングオブコント」優勝で明かしたYouTube活用の新しい流れ

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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ジャルジャル(C)朝日新聞社

ジャルジャル(C)朝日新聞社

 ジャルジャルは自身のYouTubeチャンネルで1日1本ネタ動画をアップし続けていて、芸人の中でもYouTubeを積極的に活用しているコンビである。

 一方、今大会で準優勝したニューヨークも、YouTubeの活動に人一倍力を入れている。ネタの動画だけでなく、ラジオ形式のフリートーク、ゲストを招いて話を聞く企画、バラエティ番組的な企画ものなど、さまざまな種類の動画をアップしている。ジャルジャルのYouTubeチャンネルはネタ動画が中心の「ネタ職人型」だが、ニューヨークのYouTubeチャンネルは幅広い企画を行う「バラエティ型」であり、どちらもそれぞれの能力や適性に合ったコンテンツを提供している。

 そんなYouTubeを積極的に活用している2組の芸人が『キングオブコント2020』でトップ2に入ったという事実は興味深い。YouTubeチャンネルを運営していると、再生回数、チャンネル登録者数、視聴者の年齢層や男女比、視聴者のコメントなど、さまざまなデータを収集することができる。どの動画が人気があるのか、どういう人に見られているのか、といったことがわかる。

 そのようにYouTubeをマーケティングツールとして用いることで、舞台に立たなくてもある程度は見る人のニーズをつかむことができるのだ。「オンラインでは舞台の空気は伝わらない」などと言われることもあるが、細かいデータが取れるのはオンラインならではのメリットでもある。

 コロナ禍という危機的状況でも、愚直にできることをコツコツ続けていた2組が大会で結果を出した。今年の『キングオブコント』はそのように総括することもできる。

 YouTubeをやるかどうか、どのように使うかということに関しては、芸人の間でも意見が分かれる。積極的にやることだけが正解というわけではない。しかし、『キングオブコント』という純粋なコントの面白さで勝負する大会で、優勝者がYouTubeを活用したマーケティングを取り入れていたというのは事実である。

 昨今、芸人が続々とYouTubeに参入していることが話題になっているが、芸人にとってのYouTubeはすでに「やるかどうか」ではなく「どう活用するか」という時代に入っているのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)


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ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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