青山龍馬医師(左)と進藤重雄医師
青山龍馬医師(左)と進藤重雄医師
頸椎症のデータ(週刊朝日2020年8月14-21日号より)※頚椎症の手術に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載。同ムックの手術数ランキングの一部は特設サイトで無料公開。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/
頸椎症のデータ(週刊朝日2020年8月14-21日号より)※頚椎症の手術に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載。同ムックの手術数ランキングの一部は特設サイトで無料公開。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/
頸椎の構造(週刊朝日2020年8月14-21日号より)※頚椎症の手術に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載。同ムックの手術数ランキングの一部は特設サイトで無料公開。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/
頸椎の構造(週刊朝日2020年8月14-21日号より)※頚椎症の手術に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載。同ムックの手術数ランキングの一部は特設サイトで無料公開。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/

 日本人は人種的に、神経の通り道である脊柱管が狭い人が多い。首の神経が圧迫されると、腕や手などの上半身だけでなく、下半身にも障害が及びうる。歩けなくなる前に、タイミングを逃さず手術をすることが不可欠だ。

【データ】男女どちらがかかりやすい?痛みやしびれ以外の症状は?頚椎症のデータ

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 首は、ボウリング球ほどの約5キロある重い頭を支えている。首の骨(頸椎)は、脳からの指令やからだの各部からの情報を伝える「神経の通り道」として非常に重要だ。交通事故などで首の脊髄を損傷すると、首以下の全身に麻痺が起こりうることを知る人も多いだろう。

 頸椎は七つの椎骨が積み重なり、関節を構成している。そのため、ひざ関節などと同様、頸椎にも加齢にともなう組織の変性が起こる。それが「頸椎症」の原因だ。東京歯科大学市川総合病院脊椎・脊髄病センター長の青山龍馬医師は、次のように話す。

「頸椎症は、50歳以上に多い病気です。加齢により椎間板や関節表面の軟骨がすり減り、骨同士がこすれ合うと骨棘という骨のとがりができたり、骨と骨を結ぶ靱帯が厚くなったり圧縮されてたくれたりすることによって、神経が圧迫されて痛みやしびれなどの症状が起こります」

    首の脊柱管が狭い人は要注意

 中枢神経には、本流となる「脊髄」という神経幹と、そこから枝分かれする「神経根」がある。脊髄は、脊椎の中にある脊柱管という管の中を上下に通っている。神経根は椎間孔と呼ばれる骨と骨の間から腕や手へと伸びている。頸椎症は、障害される神経の部位により、「神経根症」と「脊髄症」に分けられる。

 頸椎症性神経根症になると、障害された神経根の支配する肩から腕、手指などの部位(おもに片側)に、痛みやしびれが表れる。首を後ろに反らしたときに電撃痛が走ることもある。ひどくなれば、脱力や感覚障害が起こる。もう一方の頸椎症性脊髄症では、肩、腕、手指のしびれ・痛みが両側に起こる。また、神経のネットワークが障害されるため、手足を思いどおりに細かく動かせなくなる。「箸を使う」「字を書く」などの動作が困難な、巧緻運動障害という特徴的な症状がみられる。重症例では、下半身のしびれや運動麻痺、歩行障害、排尿・排便障害などが起こる。人によっては、神経根症と脊髄症を合併しているケースもある。

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悪化するスピードは人によってかなり違う