西武鉄道


 西武鉄道の座席指定制有料列車「S-TRAIN」「拝島ライナー」は、自社線内では特急「ちちぶ」「むさし」「小江戸」の次位にあたる。

 「S-TRAIN」は東京メトロ有楽町線および副都心線、東急電鉄東横線、横浜高速鉄道みなとみらい21線との直通運転が行われており、他社線内では最上位種別にあたる。なお、『東急線電車時刻表』(東急電鉄刊)を見ると、「S-TRAIN」は掲載されている列車内で唯一、赤色の文字で案内されているが、東急電鉄渋谷~横浜高速鉄道元町・中華街の所要時間は、「特急」とほぼ同じである。

●京王電鉄
 京王電鉄の最上位種別は2018年2月22日ダイヤ改正で設定された座席指定制有料列車「京王ライナー」で、新宿~京王八王子・橋本を結ぶ。私は以前、下り列車に乗車したことがあり、新宿では発車まで車内にBGMが流れて“別世界”感が強調されているほか、調布では「準特急」を追い抜き、格の差を見せつけられた。

 近年の私鉄の優等列車の傾向として、列車種別兼列車愛称が増えている。背景として挙げられるのは、「特急」や「快速特急」を超える列車、もしくはそれに準ずる列車の列車種別が思い浮かばないことや、新型車両の導入により新しい着席サービス列車を広く宣伝することも考えられる。今後もそのような新しい列車が増えてゆくのではないだろうか。(文・岸田法眼)

岸田法眼(きしだ・ほうがん)/『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)、『論座』(朝日新聞社刊)、『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)がある。また、好角家でもある。引き続き旅や鉄道などを中心に著作を続ける。