●阪急電鉄


 阪急電鉄の「快速特急」は、6300系と7000系をジョイフルトレインに改造した「京とれいん」で運転される列車に設定される。京都本線の大阪梅田~京都河原町に設定され、土休日のみの運転である。どちらも2ドア車ながら、6300系は車両のドアと十三(じゅうそう)駅のホームドアの位置が合わず、通過せざるを得ないため、「快速特急A」として誤乗防止を図っている。

●京阪電気鉄道
 京阪電気鉄道の「快速特急」には「洛楽(らくらく)」の列車愛称を付与され、淀屋橋~出町柳を結ぶ。朝は出町柳行き、夕方は淀屋橋行きを設定し、日帰り観光客向けの列車として運転されている。平日は3000系(2代目)コンフォート・サルーン、土休日は8000系エレガント・サルーンを使用する。特に8000系は6号車にプレミアムカー(指定席)が連結されており、より優雅なミニトリップが楽しめるだろう。

 京阪で気になる列車種別として、「特急」と同じ停車駅の「ライナー」(全車指定席の有料列車)が設定されている。京阪によると、列車種別の中での順列は決めていないという。いわば“別格”の存在といえよう。

■「快速特急」よりも上を行く列車も

 「快速特急」を設定している鉄道事業者の中には、さらに上位の列車種別を設定している会社もある。

●京浜急行電鉄
 京急の最上位種別は「ウィング」である。1992年4月16日に「京急ウィング」(現・「イブニング・ウィング」)という定員制列車としてデビュー。当初は平日下り夜のみ品川~京急久里浜に運転され、品川駅乗車時のみ200円の着席整理券が必要だった(現在は300円の座席指定制)。品川~上大岡ノンストップ運転で、上大岡から先は乗車券のみで乗車できる。

 2015年12月7日から上り朝のみ三浦海岸~品川・泉岳寺に「モーニング・ウィング」の運転を開始し、全区間有料制をとった。後に横須賀中央始発の列車が増発された。

 興味深いのは、列車の号数表示である。下り奇数、上り偶数が一般的だが、京急はその逆をゆく。都営浅草線、京成電鉄と相互直通運転を行う関係で、列車番号は成田空港から横浜方面を偶数、その逆を奇数に統一しているためだ。

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京成電鉄の最上位種別は「スカイライナー」