●京成電鉄


 京成の最上位種別は、京成上野~成田空港を成田空港線(成田スカイアクセス)経由で結ぶ「スカイライナー」で、日本の鉄道では史上初と思われる列車種別と列車愛称を兼ねた名称である。

 「スカイライナー」は京成の空港アクセス「特急」として紹介されることも多いが、「特急」は通勤形電車を使った種別として設けられており、「スカイライナー」は別格なのである。現在では在来線規格で日本唯一の最高速度160キロ運転を行う“超特急クラス”の列車だ。

 それに次ぐのは、通勤時間帯に運転される京成本線経由の「モーニングライナー」「イブニングライナー」(主に京成上野~京成成田運転)。「スカイライナー」の車両を使用して運転されるが、スピードが劣る半面、料金は「スカイライナー」より格安の420円(小児半額)に設定されている。

 その次は「アクセス特急」で、京成上野~成田空港などを成田空港線(成田スカイアクセス)経由で結ぶ。こちらは通勤形電車で運転され、運賃のみで乗車できる。私鉄の通勤形電車ではかなり速い最高速度120キロで飛ばすが、成田湯川で“チャンピオン列車”の「スカイライナー」に追い抜かれる。

●名古屋鉄道
 名鉄の最上位種別は、名鉄名古屋~中部国際空港を最速28分で結ぶ「ミュースカイ」である。2005年1月29日にデビューし、全車特別車の専用車両、2000系で運転される。曲線通過速度向上のため、空気ばね台車を制御して車体を傾けることができる車体傾斜装置を採用した。

■増える列車種別兼列車愛称

 近年、関東地方の私鉄では列車種別兼列車愛称が増えており、主に簡易優等車両を使用した座席指定列車が、最上位種別もしくは特急の次位に設定されるケースがある。

●東武鉄道
 東武鉄道では、東上線の「TJライナー」と川越特急が運転されている。両列車とも、下りの池袋~小川町の所要時間はほぼ同じながら、座席指定制有料列車の「TJライナー」が最上位にあたる。

 一方、伊勢崎線と東京メトロ日比谷線をダイレクトに結ぶ座席指定制有料列車の「THライナー」は、伊勢崎線内では「スペーシア」や「りょうもう」などの特急の次位にあたるが、特急のない日比谷線内では最上位の種別になる。

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西武や京王も「ライナー」で差別化