【2】「郵政民営化後(2007年10月1日以降)」に預けた定期性の貯金や、契約した保険、購入した投資信託は、破綻処理スキームによって違う

スキームA:「郵便局」が再国営化されれば、すべてに政府保証がつく
スキームB:「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」が他の金融機関に吸収合併されれば、金融商品もそのまま移行する
スキームC:「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」が破綻処理されると、財産が一部カットされる可能性がある

<スキームCの場合>
「貯金」(通常貯金、通常貯蓄貯金、定期貯金各種、財形貯金各種など)は、利用者1人につき、元本1000万円と利息まで保護。振替口座は全額保護される。「保険」(終身保険、定期保険、養老保険、がん保険、学資保険、変額年金保険)は、保険金が減額する可能性がある。「投資信託」(投資信託、確定拠出年金)などの金融商品は、基本的に損失なし。

「郵政民営化前」に契約した定期性の貯金や簡易保険は守られるということで一安心している人もいるかもしれません。けれど、油断して放置していると、権利が「消滅」してしまうので注意しましょう。

荻原博子(おぎわら・ひろこ)
1954年、長野県生まれ。経済事務所に勤務後、82年にフリーのジャーナリストとして独立。難しい経済と複雑なお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説することに定評がある。著書に『隠れ貧困』(朝日新書)、『10年後破綻する人、幸福な人』『投資なんか、おやめなさい』(共に新潮新書)、『年金だけでも暮らせます』『保険ぎらい』(PHP新書)、『最強の相続』(文春新書)など多数。テレビ出演や雑誌連載も多い。