YouTuberの私が言うのもどうかと思いますが、子供にYouTubeばかり見せるのは弊害があると思います。

 今回は、ママでありYouTuberでもある私が、両方の立場だからこそ分かる子供とYouTubeの危険性について述べます。子供はYouTubeが大好きです。皆さんの周りの子供たちも、夢中でYouTubeを見ていると思います。とくに小さい子の育児は本当に大変で、30分でも1時間でもじっとしてくれると本当に助かります。YouTubeを見ている間に家事や仕事をするパパやママも多いです。多くの親御さんのYouTube活用法だと思います。

 私の娘も2歳ですが、上手にタブレットを操作して、音声認識で好きな動画を見ています。言葉を覚えたり、まねしたり、YouTubeを通して彼女の知る世界が広がっています。私には8歳の息子もいますが、彼にはYouTubeをほとんど見せていません。子供向けコンテンツはNetflixやAmazonプライムなどの作品を見せています。YouTubeばかり見せるのは危険と判断したためです。その理由について述べます。

 子供にYouTubeを見せ続ける危険性は、大きく2点あります。一つは、情報のレベルが低いこと。もう一つは、中毒性が高く、妄信的になりやすいことです。キッズ系に限らず、YouTubeはどのジャンルでも情報のレベルが低いです。これはYouTuberが悪いのではなく、YouTubeの特性上の問題です。YouTubeは、動画という”映像”を流すプラットフォームです。知能の高い人は、論文や本や新聞などの文字から情報を得ることを好みます。ソースがしっかりしており、著者が書いた原本や原文を理解するのが最も効率的と考えます。Webコンテンツなら、ブログやnoteやweb記事を読める層です。文章を最後まで読み、理解するには一定の国語力が必要です。

 一方、文字を読むのが面倒だな人は「わかりやすくまとめられた」動画を見ることを好みます。YouTubeを見る層のほとんどが後者です。YouTuberは仕事として動画を作るので、より再生される動画、多くの人にウケる動画を制作します。ビジネス系でもハウツー系でも、初心者向けの内容や、「分かった気になる」動画が再生されやすいのは数字を見れば一目瞭然です。全て狙って制作しています。

 視聴者は、原本や原文の内容を、頭のいい人に「柔らかく噛み砕いてもらって」食べている状態です。情報を自分で咀嚼していません。この情報レベルの低さが、子供にYouTubeを見せ続ける一つ目の危険性です。咀嚼しやすいように噛み砕かれて柔らかくなった情報に慣れると、原本や原文の内容を自分の頭を使って情報をまとめることができなくなります。端的に言えば、国語力が落ちます。

 これを防ぐためには、YouTubeばかり見せるのではなく、一次情報に触れて必ず自分の頭で考えることをさせる必要があります。本や文章を読ませたり、内容を要約させたり、原因や理由を考える練習をさせます。この脳の訓練は、視聴者が考えることをそぎ落とすように作ったYouTubeの動画ではできません。

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なーちゃん

なーちゃん

なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。登録者数209万人、総再生回数13億回(2019年10月時点)を誇る。

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