キッズライン事件の「その後」 ジャーナリストが感じた“企業体質”とは

2020/06/12 22:16

キッズラインのホームページ(撮影/朝日新聞出版写真部)
キッズラインのホームページ(撮影/朝日新聞出版写真部)
ジャーナリストの治部れんげさん
ジャーナリストの治部れんげさん

 ジャーナリストの治部れんげさんは、朝日新聞の「論壇委員が選ぶ今月の3点」(5月28日朝刊)で、本サイトの記事「シッターアプリ大手『キッズライン』で起きた ベビーシッター男児強制わいせつ事件の全容」をトップに挙げた。選考理由として<ベビーシッターのマッチングサービスを背景に起きた事件について、運営会社の対応を批判し、再発防止策も含め説明責任を求めた論考。公益性の高い問題であり、社名を挙げた丁寧な報道は重要である>と記しているが、WLB(ワークライフバランス)や育児に詳しいジャーナリストにこの事件はどう映っていたのか。シッター事業の在り方も含めて話を聞いた。

【写真】2014年に起こった「ベビーシッター殺人事件」

*  *  *
――治部さんはこれまで働く女性や育児をテーマにジャーナリストとして多くの記事を発表されてきました。豊島区の男女共同参画推進会議会長も務める治部さんが、この問題に注目したのはなぜでしょうか。

治部 実は私の知人がキッズラインを利用していて、4月末に運営側に事件のことを問い合わせたのです。その回答がとても企業としての説明責任を果たしているものとは思えないと、知人は非常に憤っていました。私もその文面を見せてもらいましたが、確かに同社への不信感を抱かせる内容でした。

 その後、5月3日にAERAdot.の報道で「キッズライン」という社名が出て、同社もホームページ(HP)に事件についての見解を掲載しましたが、これにも大きな違和感を抱きました。法的な対応ばかりに終始して、被害を受けた児童や保護者、不安を感じているユーザーに対しての説明責任を果たしていないように見えました。同社はあくまで自分たちを「被害者」の立場に置いて、法律的には問題ないことばかりを強調しています。キッズラインが「守りたいもの」と保護者、ユーザが「してほしいこと」のギャップが表出した対応だったと思いました。

 AERAdot.が社名を出さなかったら、キッズラインは事件に対して何の発表もしなかった可能性すらあったわけです。その場合、利用者は同様の事件が起きる恐れに気づくことができなかったかも知れません。

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事件の対応に表れる企業の「本音」

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