「おすすめのジュエリーはどれですか?」

 商品を選ぶふりをして、男性に話しかけた京子さん。何げない会話から、相手の身辺を探った。男性は独身で、近くに一人で暮らしていることがわかった。

「私、結婚しているんだけど、自粛生活でストレスがたまってて。遊びたいな」

 京子さんは会話のなかで“不倫願望”をわざとらしくにおわせた。その後も複数回にわたり店に通い、狙い通り男性と関係を持つこととなった。ジュエリーサロンは男性の個人経営だったため、営業時間に融通が利いた。京子さんが店を訪ねると、「じゃあ家に行こうか」と店を閉めて二人で男性宅へ向かうのが、いつしかお決まりになっていった。

 京子さんは、一部の親しい友人にだけは不倫のことを話している。「新型コロナに感染したら、感染経路でバレるよ?」と心配されたが、リスクは承知のうえだ。「もし家族に気づかれてしまったら」という恐怖はあるが、「男性からもてはやされていたい」という願望が勝ってしまうのだという。

「自粛生活が明けたら、また都内に住む“本命の男性”と会うつもりです」という京子さん。“代わり”の男性とは今も関係が続いているが、今後どうするかについてはまだ決めていない。

■子どもを連れたまま密会も… やめられない“PTA不倫”

「今からスーパーで会おうよ」

 関東地方に住む専業主婦の恵さん(40代、仮名)は、不倫相手にLINEを送った。待ち合わせ場所に指定したのは近所のスーパーだ。相手は子どもの中学校のPTAで知り合った40代の会社員男性である。

 恵さんは休校期間中だった子どもをあえて連れ出した。夫に怪しまれないよう、買い物を装うためである。食品コーナーを子どもと歩いていると、計画通り、向こうから不倫相手とその子どもがやってきた。

「あら、お買い物ですか」

 子どもを前に、驚いた演技をする恵さんと男性。同級生のため、子ども同士も会話が盛り上がる。その間に、恵さんは男性とのしばしの時間を楽しんだ。なんてことのない会話も、「いつかバレるかもしれない」というスリルが二人を燃え上がらせた。結局この日は世間話だけして別れたが、子どもがいないときにはそのまま近くの駐車場で密会することもある。

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関係が始まったのはPTAのグループLINE