コロナ禍で、密会の時間は夜から日中へと変わった。ホテルの利用には短時間でもそれなりにお金がかかる。お互い支出が増えれば、配偶者に怪しまれかねない。そのため、会う頻度はこれまで通り月に数回を保っている。

■「愛は4年で終わる」という恐ろしい研究も…

 ここまでコロナ禍で不倫を続ける女性たちのケースを見てきたが、言うまでもなく、不倫が公になれば、配偶者を傷つけるだけでなく社会的な制裁を受ける可能性もある。ましてや不要不急の外出自粛期間での不倫などもってのほかだ。彼女たちを不倫に走らせるもとのはなんなのか。三松さんはこう指摘する。

「彼女たちは共通して『女性として見られていたい』という願望を持っています。夫は妻を女性としてではなく、『子どもの母親』として扱いがちですが、それに物足りなさを感じてしまう女性もいるのです。子育てが一段落して時間ができると、その不満を不倫で解消してしまう女性は意外と多いのです」

「女性として見られていたい」という動機については、なんとなく理解できる。だが、このコロナ禍の間ですら、我慢できないものなのだろうか。

「彼女たちはもともと、夫への不満を解消してくれる男性との不倫によって、心の均衡を保ってきました。それが自粛生活になり、不倫相手と会えないばかりでなく、嫌な夫と過ごす時間まで増えてしまった。当然、女性の気持ちは不安定になります。この状況での不倫がいかにリスクのあるものなのかは彼女たちも頭では理解していますが、そのような精神状態では気持ちのブレーキが利かなくなってしまうのです」

 不倫相手に会えない期間が続くとイライラしてしまったり、子どもに八つ当たりしてしまう女性のケースもあるという。またストレスが溜まってしまうことで、肌が荒れてしまったり、体臭がきつくなるといった身体的な症状をともなうケースもあるのだ。それほどまでに不倫は人によっては手放せない“麻薬”のようなものなのである。三松さんはそのような状態を「“恋愛依存”とも言えるかもしれない」と表現する。

次のページ
不倫に性欲はあまり関係ない