鹿島などで活躍した新井場徹(c)朝日新聞社
鹿島などで活躍した新井場徹(c)朝日新聞社

 監督が代われば、選ばれる選手も違う。タイミングも重要。同時期に同じポジションに優れた選手がいたということも理由の一つだろう。能力がありながらも不思議と日本代表とは縁がなかった男たち。A代表での出場は「0」であるものの、その実力と働きぶりはフル代表に値する選手たちで「ベストイレブン」を選びたい。

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 GKには、J1通算312試合出場を誇る【西部洋平】を推す。1980年生まれ。1999年に浦和に入団して以降、鹿島、清水、湘南、川崎と渡り歩き、現在も清水で現役を続ける。控えのシーズンも多かったが、清水時代の2004年から2010年までは7年間に渡って正GKとして活躍(08、09年は出場数減)。

 2007年にアジア杯の予備登録メンバーには選ばれたが、代表キャップはないまま39歳となった。J1で通算300試合以上に出場したGKは、西部以外に5人(楢崎正剛、曽ヶ端準、西川周作、川口能活、土肥洋一)いるが、いずれも代表での出場経験あり。他のどこよりも経験が必要で重要視されるポジションであることを、選出の決め手としたい。

 DFは4人。1人目は【古賀正紘】。東福岡高校時代から超高校級として全国に名を馳せ、97年に名古屋に入団。高い身体能力を武器に不動のセンターバックとして06年まで10年間在籍し、07年に移籍した柏でも強固な守備でチームに貢献した。その一方で、シドニー五輪の最終メンバーから外れると、A代表ではトルシエ時代の01年に候補選手として選ばれたのみ。それでもJ1通算328試合に出場した実績を評価したい。

 2人目は【増嶋竜也】。市立船橋高校時代から世代ナンバーワンDFとして評価され、世代別代表では常にリーダーとしてチームをまとめた。その名声とは裏腹に、04年にFC東京に入団した後は壁にぶち当たり、甲府、京都、柏、仙台、千葉と渡り歩いたが、それでも持ち前のクレバーさだけでなく泥臭さも身につけながらチームに貢献。J1通算265試合出場は立派だ。

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選ばれていないのが不思議な選手たち…