松阪の次に甲子園で二桁勝利をマークしたのが島袋洋奨(興南)だ。2年春から4季連続で甲子園に出場。2年時はともに初戦敗退だったものの、選抜では延長10回を投げて自責点0、19奪三振の好投を見せている。そして3年時には全11試合に先発登板して春夏連覇を達成。甲子園通算防御率1.63という数字は松坂には及ばないものの、見事な成績である。

 興南は松坂のいた横浜とは違い、野手にもスター選手がいた。それが我如古盛次だ。2年時は控えだったが、最終学年では3番、サードに定着。選抜では大会タイ記録となる13安打を放つと、夏も決勝戦でホームランを放つなど大活躍を見せて、バットでチームを牽引した。甲子園でのホームランは1本ながら、通算13試合で51打数25安打、打率.490という数字は見事という他ない。ちなみに甲子園での年間25安打は通算最多記録である。ただ、我如古の放った25安打中21本がシングルヒットであり、この点では少し物足りなさが残る。

 コンビという意味で島袋、我如古を上回るとすれば、2012年に春夏連覇を達成した藤浪晋太郎と森友哉になるだろう。藤浪は沢田圭佑が控えにいたこともあって、甲子園通算勝利数は松坂、島袋を下回る9勝だが、登板した全試合で150キロ以上をマークしている。通算76回を投げて自責点9、90奪三振、防御率1.07という数字は松坂と同等と言えるだろう。

 そして打者で牽引したのが一学年下の森だ。2年時は春1本、夏2本のホームランを放ち、いずれも4割を超える打率をマークしている。藤浪が卒業した3年時も春夏連続で甲子園に出場。選抜は故障で1試合の出場に終わったもののその試合で5打数4安打を記録すると、夏の甲子園でも3試合で12打数6安打、2本塁打という圧巻の成績を残している。甲子園はライトから吹く浜風で左打者は不利と言われており、その中で放った甲子園通算5本塁打は左打者の甲子園タイ記録である(もう一人は大阪桐蔭の後輩である藤原恭大)。藤浪、森ともに高校卒のドラフト1位でプロ入りしている点もKKコンビとの共通点である。

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