また、シーズン本塁打記録は長い間、王貞治の55本だったが、その日本記録を巡っても嫌な事件が続いた。

 2013年にバレンティンが60本塁打を放って記録を塗り替えたが、その前にもこの記録を破りそうな選手がいた。1985年の阪神・バース、2001年の近鉄・ローズ、2002年の西武・カブレラの3人だ。結局、バースは54本塁打、ローズとカブレラは55本塁打に終わった。とくにローズとカブレラは55本塁打を放ったあと、王監督率いるダイエー戦で妨害行為にさらされ、大きな話題になった。

 ここ数年は、あからさまな妨害行為は少なくなったと言われる。それでもタイトル奪取がインセンティブ契約、つまり年俸アップにつながる契約を結ぶ選手もいる。かつてはインセンティブ契約を結ぶ選手はほとんどいなかった。本来なら、ここ数年の方があからさまな妨害行為が起きていいはずだ。球団がファンを大切に思い始めたのか、それとも選手のタイトル獲得で球団が“余計な”出費を嫌がっているのか。いずれにしろ、真っ向勝負のタイトル争いが見たいものだ。