一方のブライアントは、1on1でマッチアップしたい選手を問われた時に「1991年のマイケル(ジョーダン)」と回答。初のリーグ制覇を達成し全盛期だったジョーダンを挙げるあたりは、1on1への自信と「マンバ・メンタリティ」の表れだ。

 世代が異なる2人は、ともに全盛期でマッチアップすることがなかったが、双方をリスペクトしていたことは両者の言葉からも疑いのない事実。どちらが最強かと聞かれれば、やはり甲乙つけがたいという答えが一番だろう。

 なお、ブライアントとジェームズのマッチアップについては、かつてケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)とトレバー・アリーザ(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、マット・バーンズが、ブライアントに分があるとし、八村塁のチームメイトでこちらも1on1に定評があるジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ)はサイズとパワーが使えるなら、という条件付きでジェームズとコメント。両者と対戦経験がある選手たちからはブライアントさんが1on1で勝つと考えているようだ。

 ジョーダンとブライアントには、いつか2人で最強1on1について語りあって欲しかったが、ブライアントがこの世を去った今となっては、叶わぬ夢だ。しかし、この答えのない難問はファンの間で語り継がれていくことだろう。(文/田村一人)