現役時代のマイケル・ジョーダン(左)とコービー・ブライアント(右)(写真/Getty Images)
現役時代のマイケル・ジョーダン(左)とコービー・ブライアント(右)(写真/Getty Images)

 NBAのスーパースターだったコービー・ブライアントが、娘ジアナさんらとともに不慮の死を遂げてから、1カ月以上が経った。先月24日にはブライアントが現役時代に在籍していたロサンゼルス・レイカーズのホームコート、ステイプルズ・センターでブライアントとジアナさんの追悼式が行われ、2人の生涯を振り返った。

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 衝撃的な悲劇だった。1月26日にブライアントたちが乗るヘリコプターがカリフォルニア州ロサンゼルス近郊カラバサスで墜落。明け方にネットのニュースで事故の第一報を見たときは「ウソだろ」と思ったが、続報が入るたびにそれが事実であることを突きつけられ、呆然としたものだった。

 事故死以降のニュースで伝わってくる元同僚や当時のライバルの追悼の言葉や、米国民への衝撃度を見ると、いかにブライアントがNBAの元スーパースター以上の存在だったのかがわかるし、その影響力が絶大であったことを改めて感じさせられる。

 現役時代のブライアントの記録を振り返ればそれもそのはずだ。オールスターに18回選出され得点王には2度輝き、5度の優勝を経験。MVP1回、ファイナルMVPは2回獲得し20年のキャリアで数々の偉業を達成してきた。2006年1月22日のトロント・ラプターズ戦では1試合の得点で歴代2位となる81得点をマーク。現役最後の試合となった2016年4月13日のユタ・ジャズ戦では60得点し、度重なる故障があったとはいえなぜ引退するのか不思議にすら思ったものだった。

 そして、NBA、そして世界のバスケ界を代表するブライアントは、常に対戦してきたライバルたちだけでなく世代を超えたスーパースターと比較されてきた。特にマイケル・ジョーダンとは、1on1で対戦したらどちらが強いのか?という答えの出ない話題がしばしば取り上げられていた。

 1on1で、スターたちの誰がNo.1なのかと評価することは難しい。それだけでプレーヤーの優劣をつけることはできないだろうし、選手によってはそれぞれがプレーした時代が違うし、ポジションも異なる。それでも2人が1on1をしたらどちらが強いのかが話題となるのは、それだけこの両者がプレーヤーとして突出していたということなのだろう。

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互いの全盛期には対戦のなかった2人