スタメン起用人数は少ないものの、固定されていなかったのがロッテ巨人だ。ロッテは鈴木大地が74試合、井上晴哉が68試合とほぼ同数で並んでいる(他に香月一也が1試合)。また巨人は岡本、大城卓三(42試合)、阿部(27試合)、中島宏之(5試合)という状況だ。冒頭でも触れたがこの4人から岡本がサードに移り、阿部が引退となれば他の選手を入れて競争させようという考えも分からなくはない。

 また改めて上記の顔ぶれを見てみると12球団のうち5球団は外国人選手がレギュラーを占めている。また日本人選手もアマチュア時代から主に一塁手だったのは山川と岡本の二人だけである。そして昨シーズンのレギュラー一塁手の守備について、セイバーメトリクスの指標であるUZRで見てみると以下のような数字となっている(1.02 ESSENCE OF BASEBALL 株式会社DELTAより引用)。

■パ・リーグ
内川聖一:18.6
銀次:4.3
鈴木大地:-0.8
モヤ:-2.2
中田翔:-4.5
山川穂高:-6.3

■セ・リーグ
村上宗隆:4.2
ビシエド:3.9
ロペス:0.3
マルテ:0.1
バティスタ:-4.2
岡本和真:-9.0

 UZRについての算出方法や詳細についてはここでは省略するが、0が平均的な選手であり、プラスの数字はそれ以上、マイナスの数字はそれ以下という見方となる。昨年の数字を見ると、パ・リーグでは内川が飛び抜けた数字を残しており、銀次も高い水準にある。セ・リーグでは実質1年目の村上がトップでビシエドがそれに次ぐ数字となった。そして両リーグで最低の数字となったのは山川と岡本という先述したアマチュア時代からファーストだった二人となっているのだ。山川は2018年には5.1という数字を残しているが失策数はリーグワーストの14個を記録しており、岡本は2018年も-7.3と非常に低い数字になっていることを考えると、元々ファーストだった選手だからといって守備力が高いとは言えないということになるだろう。

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陽岱鋼のコンバートは成功するか?