巨人の主軸になったドラ1の岡本和真 (c)朝日新聞社
巨人の主軸になったドラ1の岡本和真 (c)朝日新聞社

 いよいよプロ野球もキャンプイン。そして今年からは2020年代に突入することになった。そこで今回は過去10年間のドラフト会議の結果を振り返り、球団ごとに最も当たりとなった年を選んでみたいと思う。ちなみに昨年(2019年)の指名についてはまだ結果が分かるのがこれからということで除外した。今回はセ・リーグ6球団についてお届けする。

【ファンが選んだ平成で最もカッコいいバッティングフォームはこの選手!】

■巨人:2014年
・主な指名選手:岡本和真(1位)、戸根千明(2位)、高木勇人(3位)

 選んだ2014年、巨人はセ・リーグ三連覇を達成。しかしドラフト直前に行われたクライマックスシリーズでは阪神にまさかの四連敗を喫して敗退している。その流れからいくと、この年即戦力ナンバーワンと言われていた有原航平(早稲田大→日本ハム1位)に入札しそうなものだが、そんな状況で岡本を単独1位指名したのだ。

 そして岡本は期待に応えてチームの4番へと成長。もし岡本が今の巨人にいなければ、チームの将来像は大きく変わっていたことは間違いない。そういう意味でこの年の指名の意味は大きかったと言えるだろう。3位の高木は2年目以降大きく成績を落としてチームを去っているが、2位の戸根はブルペン陣にとって貴重な存在になっている。

■DeNA:2014年
・主な指名選手:山崎康晃(1位)、石田健大(2位)、倉本寿彦(3位)

 この年は巨人のところでも触れた有原に人気が集中しており、4球団が競合。DeNAは抽選を外したものの、再入札した山崎が大ヒットとなった。亜細亜大時代はスピードはあるものの、インステップするフォームと調子の波の大きさが気になったが、プロでは最初からリリーフ専門で起用されたことが奏功し、球界を代表するクローザーとなっている。また2位の石田も先発、リリーフ両方で貴重な存在となり、3位の倉本も一時はショートのレギュラーと活躍している。上位3人が外れなかったことは非常に大きい。

 他の年を見ると2012年の三嶋一輝(2位)、井納翔一(3位)、宮崎敏郎(6位)、2015年の今永昇太(1位)、柴田竜拓(3位)、戸柱恭孝(4位)も主力となっているが、全員が大学生、社会人というのも特徴だ。チームのスケールを大きくするには筒香嘉智(2009年1位)以来出ていない、高校生の大ヒット選手を出したいところだ。そういう意味でも2019年1位の森敬斗にかかる期待は大きい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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