昨今、入試のあり方で問題視される医学部受験。しかし、「多くの命を助けたい!」と思う若者や、「子どもを医者にしたい」と願う家族は多いもの。『医者と医学部がわかる2020』(朝日新聞出版)では、初年度と6年間の学費・志願者合格倍率・医師国家試験合格率の最新データを集めた「ひと目でわかる医学部データ」を掲載。医師528人に聞いた「医師のホンネ」では、勤務・睡眠時間や年収、結婚した年齢までを網羅し、「医師×テクノロジー」、「診療科別お仕事図鑑」など、役立つ情報を満載している。
医師であり投資家でもある「Dr.K」を知っているだろうか。医学生や若手医師のために、おカネの話をわかりやすく教えた著書が売れているのだ。これから医師を目指すキミたちに向けて、おカネに対する心構えをレクチャーしてもらった。まずは、前編をお伝えする。
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Dr.Kは「投資を始めるのなら、若ければ若いほど良い」「投資をすることはライフプランを考えることにもつながる」と説く。そのDr.Kの著書を貫くテーマ、それは「誰がなんと言おうとお金は大事!」。
お金は誰にとっても必要だが、Dr.Kは幼い頃から、お金の大切さを感じていたと話す。
■医師のマネープランは人生観と表裏一体
「私がお金について考えるようになったのは、育った家庭が貧乏だったから。医師を目指す人の中には、親が医者とか、代々医者の家系といった人が多くいますが、私はそうした家庭の出身ではありません。
私が医師を目指したきっかけは、7歳のときに交通事故に遭って入院したこと。担当してくれた整形外科の先生に憧れて医師になりたいと思い、そのときから勉強をがんばるようになりました。でも徐々に、わが家は貧乏だから、医師になるには奨学金をもらって国立大学の医学部で学ぶしかないんだとわかってきました。そこで、私は中学2年生のときに、人生で何よりも大事なことを『お金』に設定したのです。