昨季限りで阪神を退団となったドリス (c)朝日新聞社
昨季限りで阪神を退団となったドリス (c)朝日新聞社

 各球団の陣容もほぼ固まり、球春到来を待つプロ野球界。ここで改めて各球団の今オフの補強状況を整理。果たして、どのチームがどれだけ戦力をアップさせたのか。今季の戦力値の“上昇度”を独自に診断してみたい。今回はセ・リーグ編だ。 

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巨人<戦力値15%ダウン>

 5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。昨オフの大型補強から打って変わり、今オフはFA戦線で美馬学、鈴木大地の獲得に乗り出しながらも争奪戦に敗れて球団7年ぶりのFA補強なしに終わった。その結果、補強は外国人頼り。先発候補として韓国リーグ17勝のサンチェス、中継ぎ候補として最速167キロというビエイラを獲得し、野手では5番候補としてメジャー通算1312安打のパーラをチームに加えた。だが、外国人は「蓋を開けてみなければ……」というのが正直なところ。昨シーズン最多勝に輝くなど先発の核だった山口俊がメジャーへ移籍し、阿部慎之助とマシソンが引退したことを考えると、今季の戦力値はむしろマイナスになったのではないか。若手の成長が鍵を握る。

DeNA<戦力値10%ダウン>

 今度こその優勝を狙うDeNA。主砲・筒香嘉智がメジャー移籍となり、まずはその穴を埋めることが第一課題となった。ドラフトでは将来性を重視して1位で高校生内野手の森敬斗を指名。今季の戦いを考えると、2位指名の左腕・坂本裕哉、3位指名の右腕・伊勢大夢という大学生投手が即戦力としてどこまで活躍できるかが一つのポイント。そしてそれ以上に鍵を握るのが新外国人で、先発右腕のピープルズがローテとして1年間働き、メジャー通算33本塁打のオースティンが打線の中で存在感を見せることができるか。新戦力が期待通りに働けば優勝争いは可能だろうが、今オフの補強よりも「筒香の離脱」の方が現時点では気がかりだ。

阪神<戦力値10%ダウン>

 昨季は終盤の連勝劇でAクラスに滑り込んだ阪神。自慢の中継ぎ陣から、ジョンソン、ドリスの2人が退団し、先発として長年チームを支えたメッセンジャーは引退。打線からはナバーロが抜けた。その代わりに計5人の外国人を補強。先発投手としてガンケル、中継ぎとしてエドワーズ、スアレス、4番候補としてボーア、サンズといった面々で、特にメジャー通算92本塁打のボーアは“バースの再来”として大きな期待を集めている。しかし、現段階ではいずれも“皮算用”。さらに外国人枠という壁もある。特にジョンソン、ドリスの退団が痛い。ドラフトでは1位から5位まで高校生を指名。将来的にはプラスに働くだろうが、今季の戦力値としてはマイナスからのスタートを強いられることになるだろう。

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昨年Bクラスのチームは?