■定年後の生活スタイルを見据えて選ぼう
  
 国内旅行を楽しみたい人にうってつけなのが、「大人の休日倶楽部 ミドルカード」。会員限定の乗り放題きっぷなどの特典があります。
 
 定年後を見据えると、基本的には年会費が安いカードがおすすめですが、趣味・生活スタイルによっては年会費をカバーするだけのメリットを享受できるカードも。

 たとえば、空港ラウンジ無料や一流ホテルの特典が受けられる「スターウッド プリファード ゲスト® アメリカン・エキスプレス®・カード」などは一考の価値ありといえます。
 
 一方で現在は出張で飛行機によく乗るものの、定年後は機会が減る人もいるでしょう。マイルの有効期限が切れる前に提携先の商品などと交換するなど、マイルをSuicaなどの電子マネーにチャージできるカードを持つのも一案です。

■「使いすぎが怖い」人は、デビットカードがおすすめ

「クレジットカードは使いすぎが怖い」という人は、デビットカードがおすすめです。デビットカードは、使用時に代金が預金口座から引き落とされるため、使えるのは口座にある金額の範囲内。審査も不要で幅広い加盟店で使える便利なカードなのです。

 大切なのは、これからの生活スタイルを想定して所有するクレジットカードを選ぶこと。旅行が趣味なら旅行保険が充実しているもの、日々の暮らしでお得を享受したいのなら、割引サービスなどが充実しているものといった具合に、どのような生活を送るのかによって選ぶカードは大きく変わってくるからです。(文/音部美穂)

監修◯岩田昭男(消費生活ジャーナリスト)1952年生まれ。早稲田大学大学院修士課程終了後、月刊誌記者などを経て独立。流通、情報通信、金融分野を中心に活動する。クレジットカード&電子マネー分野では、すでに30年間にわたって業界の定点観測をしている。主な著書に『キャッシュレス覇権戦争』(NHK出版)など。

※週刊朝日MOOK『定年後のお金と暮らし2020』から抜粋