列車は定期列車の急行「大正ロマン1号」に連結。料金には同社の「1日フリー乗車券」と花白温泉の入浴券がセットされているので、明智到着後は花白温泉立ち寄りなど自由にアレンジすることができる。

■特別な車両でおしゃれにおいしく~「べるもんた」(JR氷見線・城端線)

 新鮮な富山湾の味覚を味わいつつほろ酔い気分。JR西日本の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」(愛称「べるもんた」)も、ぜひ体験したい列車だ。

「べるもんた」は富山県の非電化ローカル線、氷見線(高岡~氷見間)と城端線(高岡~城端(じょうはな)間)で運行されている観光列車。土曜日を城端線、日曜日を氷見線(新高岡発着)とし、曜日ごとに異なるルートを辿るのも特徴といえるだろう。

 車内を「井波彫刻」や「高岡銅器」など両沿線の伝統工芸をイメージする調度で統一。「越中三助焼」など伝統工芸品の展示により、郷土色あふれる空間を実現している。四人掛けのボックス席のほか、富山湾側に窓向きの座席を設え沿線のパノラマをじっくりと楽しめるのも観光列車にはうれしい設計だ。

 ここまで紹介してきた列車はツアー形式での利用なのに対し、「べるもんた」は一般の列車同様に乗車券と指定券(全車指定席)を用意すれば乗車できる点も特徴のひとつ。料理やお酒は乗車券類とは別途に事前予約する仕組みで、乗車3日前の17時までにVISIT富山県で申し込む(事前予約が原則だが、在庫がある場合のみ車内販売を実施)。

 メニューの豊富さも魅力で、沿線の地酒3種が味わえる「飲み比べセット」(1550円)など酒類はもちろん、すし職人が車内で腕を振るう「ぷち富山湾鮨セット」(2100円)、「ぷち富山湾丼セット」(3000円)など富山湾の本格的な味覚が楽しめる。

 変化にとんだ絶景でおすすめしたいのは日曜日の氷見線。高岡の路地裏のような細道から工場地帯を縫うように走り抜けると、越中国分駅の先で突如のように富山湾の絶景が開ける。

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