75年夏に原辰徳の東海大相模に打ち勝ち、4強入りした上尾、88年夏に初出場で4強と旋風を起こした浦和市立の埼玉勢、春準優勝2回の実績に加え、78年春に左腕・木暮洋と“王2世”阿久沢毅の活躍で4強入りの桐生(群馬)、三浦将明をエースに83年に春夏連続準Vの横浜商(神奈川)も復活が待たれる。

 東海・北信越地区は、69年夏の4強で74年春以来、甲子園から遠ざかっている古豪・若狭(福井)の名が挙がる。さらに50年春の優勝校で、95年夏にも2勝した韮山(静岡)、58年夏に徳島商と延長18回引き分け再試合を演じた魚津(富山)、54年春Vの飯田OIDE長姫(長野、旧名・飯田長姫)、84年夏に新潟県勢では58年ぶりの8強入りを果たした新潟南、99年春の8強以来20年間出場が途絶えている海星(三重)、98年夏の4強・豊田大谷(愛知)など高校野球ファンにおなじみのチームが顔を並べる。

 近畿地区では、戦前の京都商時代の40年春に準優勝し、81年夏にも“沢村栄治2世”井口和人の力投で準Vを果たした現京都学園、同じく戦前の和歌山中時代に史上初の夏2連覇を達成した桐蔭(和歌山)の両古豪が双璧。大阪桐蔭、履正社の台頭で勢力地図が塗り替わった大阪では、93年春の覇者・上宮に加え、甲子園で優勝、準優勝経験のある明星、興国、阪南大(旧名・大鉄)などかつての“私学7強”の復活を望む声も多い。

 85年夏に初出場で4強入りした甲西(滋賀)、春夏4強入り2回の和歌山工も近年は近江や智弁和歌山の壁を越えることができず、春夏準優勝2度、延長25回の死闘を演じた古豪・明石も87年夏を最後に甲子園から遠ざかっている。

 中国・四国地区では、85年春にエース・渡辺智男がPL・清原和博から3三振を奪うなどの活躍で初出場Vをはたした伊野商(高知)の87年夏以来の甲子園を期待したい。58年夏V&72年夏準Vの柳井、74年夏準Vの防府商工(旧名・防府商)の山口勢、34年夏に優勝の古豪・呉港、76年春の優勝校・崇徳(いずれも広島)、95年春の覇者・観音寺中央、75年夏の準優勝校・新居浜商(愛媛)、春4強2回の岡山南も甲子園でもう一度見たいチームだ。

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休部してしまったかつての“超名門”