また、一部の過激な動画や問題のある動画に、Googleが過剰な反応をして巻き込まれることもありました。広告の単価が変更され、収益が4割ほど減ったこともありますし、アルゴリズムが大きく変更され、再生回数が激減したこともあります。

 さらにYouTubeのガイドラインが変更され、チャンネルに警告が来たこともあります。ここ3年間で、こういった大きな変化は何度も起きていて、苦しい判断を迫られることも何度かありました。

 例えばYouTubeのガイドラインが変更された際は、チャンネル存続を優先して、現時点で動画を400本、再生回数にすると5億回分削除しています。目先の利益や既存の成果にこだわらず、長期的な観点からリスクマネジメントをするという判断に基づいたものです。金額の詳細はかけませんが、少なくとも削除による見込み収益の損失は100万円以上になると思います。一日の再生回数や総再生回数は大きく減少しましたが、チャンネルを存続させることには成功しました。英断だったと思っています。

 このように、YouTubeで継続的に利益を上げ続けるためには、クリエイターとしてヒット作を生み続ける能力だけでなく、経営者として正しくチャンネルのかじ取りをする能力も必要だったのです。

 経営って、なんて苦労が絶えないんだろう!(笑)。私は、YouTubeのチャンネル運営をしているうちに、仕事の大変さや、お金を稼ぐことの難しさや、経営の苦労など、働くことの現実を痛感したのです。この経験から、経営者として仕事をし続ける主人を今まで以上に尊敬するようになりました。

 YouTuberは、Googleの方針やアルゴリズムなど、自分の力ではどうにもならない要素で収益が大きく変わってしまいます。それは、景気や為替や天候などの不可抗力な部分で収益が左右される業種の会社の経営も同じです。そのため、主人の経営者としての経験や知識が大いに役に立ちました。チャンネルを運営する上で、次から次へと発生する問題に、主人と相談して対応したのです。

次のページ
夫婦で協力するようになった