全英女子オープンから帰国した8月6日。無数のフラッシュを浴びる中、会見で渋野は2つの公約を掲げた。

「今年の目標は日本の賞金だけで1億円プレーヤーになることです。来年の目標は東京五輪しか考えていない」

 当時の言葉を当てはめると、賞金女王こそ逃したが、目標を大幅に上回る成績を叩き出した。ツアールーキーがメジャー1勝、国内ツアー4勝。一発屋で終わらない確かな実力が備わった。そして、もう一つ。自国開催の東京五輪出場という大きなチャレンジが目の前に待つ。来季はそのイスを巡り、賞金女王の鈴木らと争う。

「サロンパス(5月)やアネッサ(7月)に優勝するまでは、(五輪で)ソフトボールを見に行きたいなと思っていた。今は本当に出たいと思っています」

 8月に渋野が宣言し、4カ月が経つ。勝負の2020年。快進撃を続けるスマイル・シンデレラが、新たな扉を開く。