頼れる兄さん。今田耕司(左)と東野幸治 (c)朝日新聞社
頼れる兄さん。今田耕司(左)と東野幸治 (c)朝日新聞社

「お笑い第7世代」で若手の台頭が盛り上がりを見せる一方で、古くからの「徒弟制度」のような慣例がいまだに残り、パワハラ問題が取り沙汰されている日本のお笑い界。

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 特に吉本興業の闇営業問題では、所属芸人たちの微妙なパワーバランスが浮き彫りとなり、必ずしも芸人同士が仲良くやっているわけではないことが透けて見えてきた。先日もTKOの木下隆行による、横暴ぶりが後輩芸人の告発により暴露されたが、こうした上下関係による暴力と反発といった揉め事は今も少なくない。

 こうした先輩後輩や同期同士の揉め事が起こると、たいてい誰かが間に入って解決することになる。ひと癖もふた癖もある芸人たちを説得し、和解させるのは並大抵のことではないが、いま、お笑い界で「仲裁役」として名を挙げているのが今田耕司(53)だ。

「闇営業問題が最初に報じられた際、真っ先に動いたのが今田さんでした。宮迫さんやカラテカ入江、ロンブー亮などからヒアリングして、会社側と間に立ってうまく仲裁しようとしていたのです。その後、金銭授受に関する芸人サイドのウソが発覚して、仲裁は失敗しましたが、明石家さんまさんやダウンタウン松本さんが動くきっかけを作ったのも今田さんだと言われています」(放送作家)

 この放送作家は、過去に今田の見事な「大岡裁き」を見たという。

「かつて品川庄司の品川祐さんが絶頂期でノリノリだったころ、ダウンタウンの松本さん、今田さん、木村祐一さんなどそうそうたるメンバーが集まった飲みの場で、酔った品川さんが松本さんに生意気な発言をしたそうなんです。当然、木村さんが『先輩にどの口叩いてるんや!』と激怒。しかし品川さんは勢いがあった時期なので、木村さんにも食ってかかる。一触即発の空気の中、今田さんが席を立った……。しばらくして戻って来た今田さんは、なんと素っ裸! そして号泣しながら『ケンカはあかん。木村、俺に免じて許してやってくれ。品川もちょっと口が過ぎた。謝らなあかん』とその場をおさめたという伝説があるんです」

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