台風19号から利根川・荒川流域の鉄道を救った ダムと遊水地の大きな効果 (1/6) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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台風19号から利根川・荒川流域の鉄道を救った ダムと遊水地の大きな効果

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武田元秀dot.#鉄道
台風19号の豪雨で一夜にしてほぼ満水になった八ッ場ダム(C)朝日新聞社

台風19号の豪雨で一夜にしてほぼ満水になった八ッ場ダム(C)朝日新聞社

幸魂大橋上空から見た埼玉県戸田市付近を流れる荒川本流。東側に広がる彩湖などの調節池を中心とした河川敷の貯水能力が発揮された(C)朝日新聞社

幸魂大橋上空から見た埼玉県戸田市付近を流れる荒川本流。東側に広がる彩湖などの調節池を中心とした河川敷の貯水能力が発揮された(C)朝日新聞社

相模川の城山ダム上流の津久井湖。ここで大量の流木がせき止められた(C)朝日新聞社

相模川の城山ダム上流の津久井湖。ここで大量の流木がせき止められた(C)朝日新聞社

 2019年10月12日、静岡県伊豆半島に上陸した「令和元年台風19号」は、関東・信越・東北地方を中心に甚大な被害をもたらした。

【河川敷の貯水能力が発揮された荒川本流】

 千曲川(信濃川)流域では、JR北陸新幹線の長野新幹線車両センターが浸水、上田電鉄別所線の信濃川橋梁(きょうりょう)の一部が流出。さらに久慈川流域の水郡線でも複数の橋梁が流出するなど、多くの鉄道にも被害が生じた。しかし、首都圏を流れる二つの大河・利根川と荒川流域での被害は限定的で、都心部周辺の鉄道に地下鉄の水没など大きな混乱をもたらすことは避けられた。そこには上流部のダムと遊水地による多大な防災効果があった。
 
*  *  *
■カスリーン台風の被害により治水ダム群を建設

 利根川は関東地方の一都五県(ほか支川<しせん>の一部は長野県)を流れ、信濃川に次ぐ日本第2位の全長322キロ、流域面積では最大の1万6840平方キロをもつ。日本の河川のほとんどは流域に急傾斜の山間部が多く、平野部を流れる区間は少ない。ところが利根川は山間部と平野部の割合がおおむね4:6と、平野部のほうが多い特異な姿になっている。

 さらに利根川には、吾妻(あがつま)川、神流(かんな)川、渡良瀬(わたらせ)川、鬼怒(きぬ)川といった大きな支川が平野部で合流し、利根川本川(ほんせん)の流れにも大きな影響を及ぼしている。そのため利根川は本川での水量調整が難しいなど、「治水の難しい川」だとされる。本川には高崎・上越線、吾妻川には吾妻線、渡良瀬川にはわたらせ渓谷鐡道、鬼怒川には東武鬼怒川線・野岩鉄道線などが並行している。

 荒川は全長173キロ、流域面積は2940平方キロで、河川名の由来は「暴れ川」を意味しているとされる。埼玉県鴻巣市と吉見町との間に架かる県道27号東松山鴻巣線の御成橋付近の川幅は2537メートルもあり、「日本最大」といわれている。流域には上流部の秩父鉄道をはじめ、平野部には高崎線、八高線や川越(埼京)線、武蔵野線など多くの鉄道路線が走っている。


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